姉さん、帰ってくるとは言ったけどいつになる事やら・・・
朝、テレビを見ながら学校に行く仕度をしていると
「緊急ニュースです、イギリスから日本に向かう旅客機が墜落しました」
ゾクっとしてテレビを見つめる
まさか・・・・ね?
姉さんが乗ってたら・・・どうしよう
「生存者は今の所確認できていません、機体のひどく破損しています」
頭のネジが二、三本飛んで思考が定まらなくなった
姉さんにすぐに電話をしたけど
つながらない・・・・
姉さん・・・姉さん?
しんじゃったの?
おねえちゃん?
体は動くから・・・学校に行く
香織が来たから挨拶しなきゃ
心が悲鳴をあげている
不安で不安で仕方ない
授業も勉強も頭に入らない
どうにもならない
姉さん・・・ねえさん
お姉ちゃん
「瑞希くん?元気ないね?」
「ん?あぁ・・・風邪かも」
「大丈夫?熱はないみたいだけど」
香織がおでこに触れる
姉さんがしんだら
僕・・・生きていけない
そんなのやだ・・・
お昼、お弁当を持っていつもの休憩室へ
一歩一歩歩くたび
体が重くなっていく
香織が心配そうに僕を見ている
姉さん・・・・姉さん
もう、僕を呼んでくれないの?
貴女の声を聞きたいよ
「瑞希君っ!」
僕は、やっぱり貴女がいないとダメなんだ
「瑞希くーん?」
へ?
目の前に、姉さんがいる
ニコッとかわいく笑って
腕をひろげて・・
「瑞希くん!ただいま!」
僕は・・・
お弁当箱を落として
走って、姉さんに抱きついた
「おかえり・・・おかえり姉さん・・・おかえりっ、、」
「ん・・、、、ただいま、、」
ぎゅーっと抱き締めた
もう離れちゃダメ
姉さんの温もりを感じて自然と涙がこぼれ落ちた
「あらあら、泣いちゃってぇ、、」
「姉さんだって・・」
「うぅ、、、」
周りの人を気にする余裕はなくて
二人で抱き合って泣いた
村田先生が休憩室に入るように言われるまでずっと抱き合ってた
姉さん、生きてた、、
嬉しいなぁ、、
「姉さん、なんで学校に?」
「ん?君、お弁当忘れたでしょ?」
「へ?あるよ?」
お弁当箱が入った袋を開けると
「あれぇ!?筆箱!?」
「まったくぅ、、ドジっ子め、、」
「だって・・・飛行機墜落したってニュースがあったから」
「あー、私2日前に帰国したからね、あーぶなかったー・・・」
「なんですぐに会いに来てくれないのさ、、、」
「ごめんよぅ、、いい写真撮れたなら見せろってつまようじに言われてさぁ、、」
なんでもいい、よかった
生きてて、会えて、よかった、、
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