放課後、香織と図書室で本を読んで僕の家で夕飯を食べるのが習慣になった
香織はお祖母さんに心配されていないらしい
それもまた辛いだろうな
今日も一緒に料理をした
だんだんと香織も料理を覚えてきたようだ
「瑞希君、ハンバーグ作れるようになるなんて・・我れながらびっくりだよ」
「はは、彩花はセンスあるからね」
「そんな事ないよー、、」
普通に食事して会話して
僕がもし、姉さんを好きじゃなかったら
こういう感じでデートとかするのかな?
やっぱり姉さんが一番だよ・・・姉さん・・・会いたいよ
もうすぐで一ヶ月
胸が張り裂けそうだ
「瑞希くん?」
「ん、あぁ・・・ごめん」
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
「・・・ねぇ?」
香織が抱きついてきた
どうしよ・・・
「遊びでいいから・・・」
「香織?」
「私の事、遊びでいいから、一緒にいたいの・・・好きなの」
「香織、だめ・・・」
「好きなの・・・」
そんなに泣いて告白されたら
僕はどうしたらいいのか分からなくなる
「・・・香織、ごめんね」
「瑞希くん・・・好き」
このまま、抱いてしまえばいいのかもしれない
欲望のままに
でもね、僕は知ってる
信頼というものは築くのに時間がかかるけど壊すのはすごく簡単なんだ
僕は香織の頭を優しく撫でて優しく突き放した
「友達として、そばにいてください」
「・・・ごめん」
「香織の気持ちはすごく嬉しいよ」
「ん・・・」
香織はもう一度抱きついてきた
強く突き放すことはできない
僕は・・・
「瑞希くんを感じたいから・・・せめて抱き合う事は許してほしい」
「・・・うん」
これくらいなら・・・いいかな
ふと、姉さんが西野さんを哀れむ気持ちが少し分かった気がした
一途に好きでいてくれるのを突き放す事はできないのは似てる・・・・姉弟だからかな
香織をそのまま抱き締めた
しばらくたって
香織は名残惜しそうに離れた
「やっぱり好きだぁ、、、瑞希くん・・・ごめんね、諦められないよ」
「・・・・僕は」
「いいの、ごめんね・・片想いずっとしてるから」
香織に申し訳ない
説明もできない
姉さんが好きだなんて言えない
「送ってくよ?」
「うん、ありがとう」
香織を家まで送る道
人通りも多いから危険はないんだけど
「瑞希くん、また明日」
「うん・・また明日」
「・・・・」
「・・・・」
なんだか足が動かない
香織はまた抱きついてきた
「帰りたくない・・」
「香織・・」
「家に居場所がないの・・」
「一緒にいて・・いい?」
※元投稿はこちら >>