レオのお散歩を任された
師匠宅のすぐ前に綺麗な川がある
川沿いの歩道にはカフェや雑貨屋さん、お菓子屋さんがある
駆け出しのパフォーマーが歌ったりしてたり
うん、実に面白いとこだね
レオはおりこうさん
しつけをしっかりしてある
この国ならでは・・・かな
行儀の悪い犬はあまり見かけない
ゆっくり歩いては立ち止まって
人々を眺める
本当に色んな表情・・
カップルもちらほら
一眼レフのカメラは仕事用で普段はコンパクトなカメラを使ってる
実はこれ、フィルム式
師匠には呆れられているけども
子供の頃に初めて自分で買ったカメラだ
大切にしたい
「ほら、レオ?笑って♪」
レオは口を開けるとニカッと笑っているように見える
一枚撮るとカリカリ巻いて、もう一枚
ふわっと柔らかい風が吹いた
「姉さん」
「へ?」
瑞希くん?
「姉さん、買い物まだ終わんないの?」
「もうちょっと付き合いなさいよ!」
「あー、わかったよ・・」
仲の良さそうな姉弟だ
いるわけないよ、ここに
ウズく・・・会いたい
どうしよう、離れれば離れるほど欲しくなる
私はしゃがんでレオを抱き締めた
「レオー、、恋の病は辛いね」
レオは首をかしげた
「おーい?なにやってんだ」
師匠が呆れ顔で私を見ている
「迎えにきてくれたんですか?」
「なんか異様に遅いからな・・・カフェでちょっと甘いものでも食べる?」
「わぁい♪」
「まったく、子供だな」
レオをお座りさせて椅子に座る
「外の空気はやはり美味いな」
「師匠は引きこもりですもんね」
「なんとでも言え・・・ふぅ」
カプチーノ・・おいし、、
遠くの方を見る
愛しくて会いたい人は海の向こう・・
「彩花、日本に帰れ」
「へ?」
「お前、覇気がないぞ」
「私は・・・ダメなんです、もっと成長しないと帰れないんです」
「・・・・二人で決めたんだな」
「はい・・・離れても平気じゃないと溺れてしまうから」
咲子さんは静かに頷いた
「そうか・・・」
「狂おしいほど好きなんです・・狂おしいほど」
「・・・ま、気がすむまでここにいろ、助手がいなくてこまってたとこだ」
「はぁい・・・、、」
帰宅して
瑞希君に電話をかけようとしたけど
やめた・・・・
でもかけたくてまた電話をさわる
でもまたやめる
うーん・・・・どうしよう
向こうは夜中になるのかな
かけちゃ迷惑だし
うん・・・
「彩花ー、仕事行くぞ」
「はーい!」
大丈夫、瑞希君は待ってくれてるんだから
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