「瑞希くん、旅先で西野くんと会った」
しばらく間があった
怖くてたまらない
「そっか、それで?」
「一緒に仕事した・・・」
「うん・・・」
「・・・・・」
どうしよう・・・
やっぱり内緒にするべきだったのかも
「・・・何かあったんでしょ?話して?」
「・・・浮気しちゃった」
「・・・・そっか」
「・・・・ごめんなさい、キスしただけだけど・・・ごめんなさい、体を許しかけた、私を諦められなくて苦しんでる彼が哀れで、私も罪を感じて」
「・・・姉さん、僕は怒らないよ」
「・・・ごめんなさい」
「姉さん、西野さんと決着がついたんならそれでいいじゃない、それにさ、キスしただけで浮気とは言わないよ?」
「瑞希くん・・・」
「僕は待ってるよ、変わらず貴女を愛して待ってます」
「ごめんね、ごめんね・・」
「姉さんは優しいんだね、でもえっちしなかったんだね、それがないなら大丈夫」
慰められた
あー、瑞希くんを傷つけてしまった
サイテー・・・
「今はどこにいるの?」
「いぎりすぅ・・」
「へぇ?ビックベンだっけ?あれ見てみたいなぁ」
「帰りたい・・」
「ねえさーん、会話しようよ」
「瑞希くんに触れたい、寂しい・・会いたい」
「姉さん、僕だって・・でも我慢しなきゃ」
「うん・・・」
「また・・・僕からも電話するから」
「うん・・・」
「えっと・・・そっちは夜だよね、おやすみ」
「おやすみ・・」
電話を切って
罪悪感で胸が痛い
瑞希くん、ショックだったろうな・・・・
最後、彼とのキスは
周りの人から見ればまるで恋人のようだったと思う
夢中になった・・・
あー、やだやだ・・・
「彩花ー?」
「んー・・」
咲子さんがベットに座って頭を撫でてきた
「その旅先で出会った子は知り合いだったのか?」
「うん・・・前の恋人・・・みたいな人」
「・・・なんだそれ」
「師匠、私・・・弟と恋愛してるの」
咲子さんは何の驚きもなく
頭を撫で続ける
「そりゃ、あんだけ会いたいって言ってた弟だもんな」
「・・・・引かないの?」
「そういう恋愛もあるもんさ・・引かないよ」
「・・・うぅ、、」
師匠に抱きついて涙を流した
「また・・お前は」
「師匠・・ぐすっ」
「弟との行く末を悩んで余所見をした、その時の男と付き合ったけどやっぱり弟が好きでその男を捨てたんだな」
「ギくっ!!」
「だから反応を言葉に出さなくていい」
「なんで分かったの?」
「大体予想はつくよ・・罪悪感を感じたんだな、まぁキスくらいですんで良かったな」
「うぅ、、、」
「ほら、寝な、明日早いぞ」
はぁ・・・・なんでもお見通しか
※元投稿はこちら >>