桂さんがたまに家に来てくれるようになった
僕は嬉しくて玄関で出迎える
扉が開くと抱きつく
「お父さん、いらっしゃい♪」
「お、おぉ、、、お邪魔する」
「おいしいご飯作ったからね?」
「・・・・まったく、、瑞希は女の子みたいだな、大人しいしエプロン似合うし料理もうまいし、もうすこしやんちゃになれ、、」
「えへへ、、」
頭を撫でられた
父親にどう接していいかよくわかんないや
夕飯を食べながら今日あった事や勉強の事などを話す
桂さんは微笑んでただ聞いてくれる
僕はどうしても聞きたかった事があった
でも聞きにくい
「あの、お父さん」
「な、なんだ?」
「・・・お母さんと、どうやって出会ったの?」
「あ・・・・」
桂さんは箸を置いて苦笑した
「早く話すべき事だったな・・・母さんとはな・・幼馴染みだったんだ・・・」
「付き合ってたの?」
「あぁ・・・婚約しているのも知っててな・・・昔から相談相手になってくれて好き合って・・・その、俺の生い立ちも特殊でな」
桂さんがコーヒーを一口飲んだ
長い間があって
「俺の父と母は血の繋がった姉弟なんだ」
「へ・・・・?」
「・・君たちが姉弟で恋仲になっているのを知って何か因縁を感じたよ・・俺の両親は関係に溺れて心中を選んだ」
なんていうか、言葉が出ない
「こっそり関係を続けて、不倫して・・・彩花が生まれてからも続いて・・君が生まれる前に俺は海外で仕事に就くために日本を去った」
「・・・どうして母さんと結婚しようと思わなかったの?」
「俺はそうしたかったが、母さんはな・・したくないって」
「お父さんが好きなんじゃなかったの?」
「たぶん違う・・・私が好きなのはあの人だけよ、っていつも言ってたし」
あの人・・・桂さんの事じゃなかったんだ
桂さんはまたコーヒーを飲んだ
無精髭だけど男前だ
「彩花と再会したのは仕事関係で・・・彩花の父にも会えた・・・償う時が来たと悟ったよ、それまでさんざん公開して悔いていたから」
「姉さんはなんで気付いてたのかな・・」
「あの子は恐ろしく鋭いからな、勘だろう」
「・・・そして今まで他人として接してきたんだね」
「あぁ・・君に再会するのにも手助けしたし」
「そうだったんだ・・」
色々あったんだな
でも・・・どんな過去があったとしても
「お父さん、僕は気にしないから、罪も感じないでほしい、普通にお父さんと仲良くしたい」
それを聞いて桂さんは涙を流しはじめた
「すまない・・・ありがとう」
どうあれ、今は幸せだから
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