二人でぶらぶらと出掛けた散歩
今日でちょうど一年だ
早いような、遅いような
まさか一年前には思いもしなかった
姉がいたなんて事
その姉と恋仲になって煩悩に苦しむ事
母さんの死・・・
そして、骨折して車椅子で生活するなんて事
想像もつかなかった
「ここでどんな遊びしてたんだっけ」
「ん?指で数えるくらいしか遊んでないからねぇ、瑞希くんは覚えてないかな」
一年たって
姉さんはますますきれいになった気がする
「瑞希くんと会えてよかった」
「うん、、」
「できれば一緒にお墓に入る努力をしましょう、、」
「はいはい、、」
姉さんに車を押されて歩く小道
去年ここで写真を撮ったんだっけ
「瑞希くん、今度は二人っ撮ろっか?」
「ん?うんっ、、」
カメラをうまい事置いて
タイマーを使って撮る
去年と違う
僕のそばに愛しい人がいてくれる
なにもかも違って見れる
二人で微笑む
この先なにがあっても
姉さんと一緒にいたい
ひもじい思いをしても
苦しい事があっても一緒がいい
ずっとずっと・・・・
「瑞希くん、帰ろっか」
「うん・・、、」
「夕飯なにがいい?」
「おでん食べたい、、」
「じゃあ買い物してから帰ろうか、、」
「うんっ、、」
帰る時、家だった場所を通りかかった
もう新しい家主がいて
家族団らんをしている
「新しい人がいるね」
「うん・・」
母さん・・・あなたの事は忘れられないけど
された事は許される事じゃないけど
辛く苦しかったけど
僕は今、幸せです
それでいい、それだけでもういい
過去の事なんか
「スーパーに行くぜぃ」
「わーぃ、、」
「きゃー、、」
二人ともまだ子供だ
成長していけるかな
二人で・・・
【終】
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