母さんはおかしかったかもしれないけど狂人ではなかった
ある日僕が物を乱暴に扱って壊してしまった時があった
母さんは僕に軽くげんこつをしてこう言った
「瑞希、人も物も期限があるの、この世のすべては有限なのよ?愛しいものがあったら失った時を想像して大事にしなさい、失ってからでは遅いのよ」
僕はそれから人も物も大事にするようになった
今もそう
筆箱も長い間壊さないで使ってきた
「瑞希君、この問題教えて欲しいな」
「あ、うん、いいよー」
クラスの子に問題を教えるのも結構習慣づいたなぁ
香織もクラスに馴染んできたみたい
よかったよかった
「瑞希ぃ、体育の授業中止だと!」
「えー?ラッキーじゃん♪」
「おめぇは体育嫌いかー!」
「嫌いじゃないよ、いつも見学になるし勉強のほうがいいの」
僕はどうも体が弱く体育の授業は見学ばかり
だから筋トレはじめたって言ったらクラスのみんながびっくりしてた
体育の時間はこの雪だし、体育館は補修工事してるししょうがないよね
次の時間は自習になった
「瑞希、勉強教えろ♪」
「いいよー?今日の報酬は?」
「ポッキー三本でどうだ?」
「もう一本!」
「しゃーねーな!」
ここの学校は自販機にお菓子がある
持ち込み禁止ではないけどもお昼休み時間以外は食べたらダメなんです
「瑞希くん、私も教えて」
「はいはーい♪」
香織も机をくっつけてきた
男子生徒はみんな香織の一挙一動に注目する
まぁかわいいしなぁ
僕はポッキーを食べながら勉強を教える
こーいう時間、大切にしないとね
学生時代は短く儚い
香織はさすがに頭がいい
僕が教わるほうにまわりたいくらいだよ
お昼ご飯、たまにパンが食べたくなる
「弟子、手を抜くな」
「僕だってコンビニのパン食べたいんです・・・んまぁい、、」
甘いものもいいよねぇ
野菜スープは作ってきたけども
村田先生は僕のお弁当をあてにしすぎ
香織もコンビニのパンだ
最近一緒に登校するようになった
付き合ってるって噂が流れはじめた
まー、ほっとけばいいかな
そのうち消えるし
村田先生と付き合ってるって噂もあったけど綺麗に消えたし
「結愛先生、今度遊びに行っていいですか?お父さんにも会いたいです」
「よかろう、二人でおいで」
「わぁーい♪」
え?僕も?
村田先生に何か言おうとしたけど、、、
何も言うな!って顔してて何も言えなかった
うわ・・・どーしよ
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