車椅子生活が始まる
香織やクラスのみんなにはそれとなくメールで知らせた
それにしても・・・夏休みが終わるまで二週間か
完治するのに三ヶ月、リハビリにも数週間
こりゃあ、学校始まっても車椅子かな
幸い骨折・・命が無くなるよりかはマシな程度だから
割りとひどいほうなのかもな
「姉さん、行ってらっしゃい」
「・・・仕事場につれてく!」
「姉さん、、はやく行って」
「うぁあぃ、、」
頭を撫でてあげるとおずおずと出ていった
さぁて・・・どうするかな
桂さんも忙しいらしいから自分でなんとかしないと
家の中でも車椅子
外に出る時の車椅子は玄関にある
使い分けしないと汚れちゃうもんね
ピンポーン
来客?誰だろ・・・
「はーい?」
「村田ですー」
「はぁ!?、、、」
村田先生!?
なにしに来たんだ!?
「鍵開いてます」
「お邪魔しますー・・・お?」
村田先生は車椅子に乗った僕を見てキョトンとしている
「どした?」
「事故って両足骨折しました」
「ほうほう、ならば無抵抗か、そうかそうか」
「手わきわきさせないでください!、、エロ親父ですか!、、」
この人は要注意だ
食われる・・・かもしれないから
「何しに来たんですか?」
「香織ちゃんにここに来てってメールもらったから」
「香織から?」
なんだろ?お見舞い?
「あ、結愛ちゃん・・・瑞希くんっ!」
香織が来たようだ
真っ先にかけよってくる
「大丈夫?」
「あ、うん、へーきだよ」
「・・・はぁあ、、よかった」
お見舞いしに来てくれたんだ
嬉しいなぁ
さて車椅子でもなんとかおもてなしせねば
トイレは自力で行けるように簡易の手すりをつけてもらった
立つ事はできるけど
いたくて歩けない
とりあえずコーヒーを・・
「瑞希くん、いいよ、私やるから」
香織がてきぱきやってくれる
一人暮らしするようになってから少し変わったな
大人びたっていうか
前より頼もしくなった
「香織、ありがと、、」
「いいって♪」
お菓子も用意・・・って
村田先生普通に食ってるし
「おねーさんは?」
「仕事です」
「そっか」
「だからそのやらしい手つきやめなさい、、」
この人は、、、ほんとに、、、
香織がコーヒーを入れてきてくれた
「夏休み、もうすぐ終わるのに残念だよね」
「うん・・・海とか行ってみたかった」
「うーん・・・行こっか?今から」
「へ?香織?」
今から・・・?
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