叔母さんは、ビールを飲みながら、テレビを見ていた。
逃げ出したい、この状況めっちゃきつい!その気持ちしかなかった。
でも、叔母さんは普通の会話をしてきた。俺への気遣いだったと思う。
そして、叔母さんはビールを終えると台所からワインを持ってきた。
ゆうちゃんも飲む?って言ってきた。
じゃぁ、ちょっとだけ頂きます!
とワインを飲み始めた。
うまいのか?これ?
俺には全く美味しさはわからない。
状況が美味しさをわからなくさせていたのかもしれない。
叔母さんは、早くもないが、遅くもないペースでワインを飲んでいた。
少しだけ、顔は赤くなっていた。
しばらくすると、叔母さんは俺にボソッと言ってきた。
ゆうちゃん、ごめんね
背中が凍るほどの言葉だった。
ついに、来た!!!
言うつもりなかったのか、タイミングを待っていたのか、わからないが、確かに今、あのことについて、叔母さんは言葉を発した。
えっ?
とぼけるつもりもないが、まともに返す言葉も浮かばない。
ほら、○○とのこと。私と○○が上手くいかないから、ゆうちゃんとこに預けることになってしまったから、あんなことになってしまって。
これ、俺にとって、予定外の展開!
責められるなら、まだしも、
謝られるなんて、本当想定外!
頭の中、パニックだった。
いえ、本当にすみませんでした。
謝るとしても、それくらいしか言葉に出来なかった。
そして、その後、叔母さんは普通の会話に戻そうとしていた。
叔父さんが、ほとんど仕事でいないから、ついつい私が頑張らないとって思い、子供達にうるさく言っちゃうから、○○とぶつかっちゃうのよねー
とか、
従妹の☆☆は、凄くいい子だから、ついつい比べちゃうのよね
とか、
確かに、叔父さんは稼ぐ旦那さんで、従妹は勉強も部活も凄く頑張ってる優等生。
従兄は、京大卒のエリート。
従姉だけが、タイプが違う気もした。
しばらく沈黙があった。
そして、ふと見ると、叔母さんの目に涙があった。
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