買い物は一人ぶんの食事でいいから楽だ
んーでも・・・寂しいな
「あら、瑞希くん」
母さんと暮らしていた時の近所のおばさんだ
「あ、こんばんわ」
「元気だった?お母さん亡くなって大変だったわねぇ」
「あ、いえ・・・」
なにか居心地が悪いかんじ
「いいお母さんだったのにね・・悲しいだろうけどがんばってね?」
ズキッと胸が痛む
「あ・・はい、ありがとうございます」
顔は笑顔で偽れる
一人、帰り道
なんだか重苦しい
いいお母さん
まわりにはそう見られているんだよな
本当は違うのに・・・
目の前で車が止まって足をとめた
「や、買い物帰りか?」
「あ、桂さん!はい♪」
「乗ってきな」
「わ、ありがとうございます!」
桂さんと偶然会っちゃった
マンションまで送ってもらった
桂さんは車をおりた
「彩花に頼まれてな、夕飯付き合おうと思うんだけどお邪魔かな?」
「あ、いえ!嬉しいです」
やった!お客さんだ
一人でご飯食べてもおいしくないもんね
桂さんにお茶を出して待ってもらっているうちに夕飯を作る
電話が鳴って火を止めた
姉さんからだ
「あ、もしもし?」
「瑞希くん?坊主来た?」
「葬式じゃないのに来るはずないよ、ちゃんと名前で言いましょうね」
「えへへ、、桂来た?」
「うん、来てるよ」
「そかそか・・・なるべく早く帰るからね?」
「待ってます、、」
「きゃー、、かわいい」
「料理作ってるから、、またあとで、、」
「はいはーい、、」
あーあ、姉さんが帰るまでまだまだ・・・
寂しいな・・・
桂さんに料理を出す
「・・・美味そうだな、いただきます」
手を合わせて食べる
僕の料理は野菜が多い
男向きの料理じゃないよなぁ
「うまい・・瑞希くんはいい腕してるな」
「えへへ、、そんな、、」
「彩花とそっくりだな、照れ方も」
「姉弟ですから、、」
桂さんは箸を置いた
急に真剣な目をして・・
「瑞希くん、隠さず言ってほしい」
「へ?」
「彩花の事を好きだろ?異性として」
「・・・・い、いきなりなんですか?」
「・・君たちの関係は普通の姉弟ではない、だろ?」
いきなりで、どう返していいか分からなくなってしまった
「君たちを責めるつもりも、関係がそうだったとしても公表するつもりもない」
「・・・・好きです・・姉さんが・・・大好きです、恋しくて寂しいです」
「・・・そうか、悪かった、悪かったな・・・すまん」
抱き締めて頭を撫でられた
桂さんはニコッと笑った
「俺に君たちを守らせてくれ」
桂さんの笑顔を初めて見た・・・・・・
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