どっちか選べと言われてすんなり選べるわけがない
迷うのが人間・・・
「彼を傷つけちゃった罪悪感もある・・興奮してやらしー事したし・・私、最低」
「姉さん、今、西野さんがいたら僕と彼、どっちを選ぶ?」
姉さんは迷わずすぐ言った
「瑞希くん、、」
「なら・・、、」
「でも、今さら・・・西野くんの事もくすぶってる」
後から好きだったと気づくなんてな
「姉さん・・・僕たちは二人で生きていくには手探りで進むしかないんだ」
「ん、、、」
「この旅が終わるまでに決めてほしい・・・姉さんはまだ迷ってるんだよ、平凡な幸せか、僕と生きるかを」
「・・・、、」
「僕と歩くのは棘の道かもしれない、いくら好きでも・・・つらい道かもしれない」
姉さんは決めたつもりでもやっぱり不安だったんだろう
姉弟で愛し合って生きていくなんて非常識だから
僕はいい
たくさん迷ってくれていい
僕は姉さんを幸せにしたい
それがどっちの道であろうと
僕が強引に手を引いて二人で生きていく事もできるけど
その道は地獄に近いかもしれない、二人で寄り添って生きても辛くて姉さんが泣いてしまうのは嫌だから
不幸にさせてしまうのは嫌だから・・・
「姉さん、僕は姉さんに委ねる・・・」
男らしくないかもしれない
けれども
僕はこうする
夜、寝る前に本を読んで
眠気がくるのを待つ
一度体を重ねたから
もう後戻りはできないし
僕も戻りたくはない
姉さんと一緒に生きていきたい
明かりを消して僕は目を閉じた
姉さんが普通に生きるほうを選ぶなら
僕は身を引くと思う
「瑞希くん、、」
姉さんが布団の中に潜り込んできた
「姉さん?」
「一緒に寝よ?、、」
「うん、、」
ただ姉弟として一緒に眠る
「瑞希くん、寂しかったよね・・・ごめんね」
「姉さん・・・」
「私が守ってあげるからね、瑞希くん」
姉さんはずっと気にしてる
再会する前の僕の事
母さんにされた仕打ちを言わなければよかったのかもしれない
姉さんは僕を守れなかった事を悔いている
それが姉さんをしばりつけている気がする
平凡な日常に戻るか
弟と愛を選ぶか
姉さんは決められるのだろうか
数日後
北海道についた 駅から車で5時間ほどの所、広い広い雪原が広がっている
姉さんは興奮ぎみだ
なんだろう・・
「ここに来た目的はね、アルビノの大鷲を写真に納める事なんだ」
「アルビノ?遺伝子の異常で真っ白い個体が生まれるってやつ?」
「そ!」
僕は・・この旅の終わりが怖い・・でも逃げない
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