胡桃ちゃんのお気に入りの喫茶店に入った
胡桃ちゃんはふうっと ため息を吐いた
「見られるって疲れる」
「ん?」
「瑞希もそう思うでしょ?」
「あー、分からなくもない」
胡桃ちゃんはパンケーキを注文した
僕はコーヒー
「・・・美人は損だよ」
「そうかな?」
「女の世界ってのはね、魑魅魍魎だらけなの」
「男の世界もそうかも」
胡桃ちゃんは僕にデコピンして鼻で笑った
「おばか・・・男の世界は単純よ」
「そ、そう・・」
一瞬目が完全に合って
胡桃ちゃんが目をそらした
「瑞希は私よりかわいいかもね、くやしい」
「はぃ?」
「瑞希くん?」
振り返ると大好きな人がいた
姉さんだ、、、
「胡桃ちゃんとデート?」
「あ、ちがう、、、」
「よいよい、たくさん恋愛したまえ」
姉さんが僕の頭をぽんぽん叩いて隣にすわった
「やぁ、胡桃ちゃあん、、、」
「先生、近くのスタジオで仕事?」
「そだよ、、」
姉さんがメロンソーダーを注文した
冬なのによく冷たいの飲めるなぁ
「胡桃ちゃんってお母さんもモデルなんだよね?」
「うん・・」
胡桃ちゃんがすこし暗い顔をする
「私はあの人を越えられない」
「え?」
「瑞希、吉野屋またつれてって」
胡桃ちゃんが逃げるように席をたった
聞いちゃ不味かったかな
「瑞希くんアウトー」
姉さんがにやにやしながほっぺたをぐりぐりつついてくる
「姉さんは胡桃ちゃんのお母さんを知ってる?」
「うん、知ってるよ・・・綺麗な人だけど世界で一番になる事に執着するモデルさんだったな」
「そうなんだ・・・」
胡桃ちゃんももしかしたら母親とうまくいってないのかな
「さ、瑞希くん、胡桃ちゃんと何をしたのか教えたまえ」
ちょっと嫉妬混じりに訪ねる姉さん
あー、かわいい、、、
「買い物して吉野屋行っただけだよ」
「ふーん・・・」
僕は姉さんの耳元でそっとつぶやいた
「嫉妬したの?かわいい」
「ん、、、ちがぅ、、」
「まだ仕事あるの?」
「ううん、、」
「じゃ、帰ろ?」
「うんっ、、」
姉さんがかわいくて愛しくてどうしようもない、、、、
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