もう都内はすっかり冬だ
行き交う人々、仲の良さそうなカップルがちらほら
僕はある人と待ち合わせをしている
「おまたせ・・・」
「あ、胡桃ちゃん」
メール交換をするようになって、遊ぼ、って言われた
今日は退屈してたしちょうど良かった
胡桃ちゃんはすっごくオシャレ・・・・はしていない
結構ラフな服装
でもそれを完全に着こなしているからすごい
さすが売れっ子モデルだ
「暇だから遊ぶの、デートじゃないから、勘違いしないで」
「うん、わかってるよ?」
「・・・・ふんっ」
胡桃ちゃんはハーフだ
外国の母親がいるらしい
母親もモデルだったとか
やっぱりこの人混みでも彼女はすごく輝いて見える
容姿もそうだけど内面から出る自信のせいか
「瑞希っ!」
「え?」
「あんまり見つめないでくれる?ぶん殴るよ?」
胡桃ちゃんが僕をにらむ
あちゃ・・怒らせちゃったかな
「ごめんね、胡桃ちゃんかわいいから」
「・・・・年下のくせに生意気」
袖をひっぱられた
ご機嫌とるの難しいなぁ・・・・
買い物につきあっているともうお昼だ
なにか食べようかな
「瑞希!」
「ん?」
「・・・・よ、よしのやってなに?食べたい」
胡桃ちゃんが指差す
牛丼チェーン店の吉野屋を知らないの!?
「ぎ、牛丼だよ?」
「食べたいの、エスコートしてよ!」
「うん、いいよ」
胡桃ちゃんは僕の背中に隠れるようにそろそろとついてきた、なんかかわいいなぁ
よし、普通に注文しよう
「牛丼並み盛りひとつ」
胡桃ちゃんはおどおどしてる
あー、初めて入るんだもんな
「みずき・・・」
ちょっと不安そうだ
「あ、お腹減ってる?」
「ふつう・・」
「じゃ、僕と同じでいいね?」
「ん・・・」
胡桃ちゃんうなずいた
わがままな子だけどかわいいなぁ
注文したものがきた
胡桃ちゃんは一口食べて
「まっずぃ・・・」
「お口にあわなかった?」
「うん、これお肉の味しない・・・」
「僕は好きだよ」
胡桃ちゃんがなぜか僕の言葉を聞いて顔を赤くした
すぐにそっぽを向いた
「けど値段のわりには悪くない」
お昼の後に公園のベンチに座った
牛丼食べたの久しぶりだなぁ
今度は姉さんと食べたいな
「瑞希、寒い」
「ん?僕のコートかしてあげる」
胡桃ちゃんにコートをかけてあげる
僕はべつにへーきだし
「・・・ばか、、」
「え?」
「瑞希、こういうときは喫茶店に行こうって言うべき、、、」
「胡桃ちゃん、顔赤いよ」
「っ!?うっさい、、、」
また不機嫌・・・
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