なんかこうやって座るだけで視線を感じる
顔が綺麗・・なのはいい事かもしれない
でも・・・人に見られるのは疲れるよ、すごく
カフェの外はたくさんの人々が流れるように歩く
人混みには幸せそうなカップルが何組か見える
村田先生はプリンパフェにカラメルソースをかけている
動作も気品がある
お茶会にいくくらいだから当たり前か
「相手を好きで付き合ってるカップルってどのくらいいるのかな?」
「え?」
「・・・君にはどう見える?」
「相手を好きだから付き合うんでしょ?」
「・・・・恋にもいろいろあるんだよ?ドラマのような理想的なロマンチックな恋をしたいから恋人をつくる人もいれば、財産に魅力を感じて恋する人もいる、恋をアクセサリーのように扱う人もいる」
「恋をしたいから恋をするなんて・・・大人の真似をしたがってる子供みたいじゃないですか」
「そーいう人もいるんだよ現実に」
村田先生はプリンパフェを一口食べてにやけた
「おいし、、・・人ひとりを好きになるって意外にできないもんだよ・・・まぁ、どっちにしろ恋はきっかけ」
僕は姉さんが好き
・・・いや、有村彩花という一人の女性が好き
姉に憧れていたという事はない
姉さんといた記憶はあまりないし・・・
姉さんが世界的に有名な写真家じゃなくて、ごく普通のOLだったとしてもきっと好き・・・
「・・・瑞希くんは人に恋してるんだね」
村田先生が優しく微笑んだ
なんだよ、ドキッとするな、、、
・・・・、、、、
「好きな人はいます、、恋・・・・してます、、、」
「うんうん」
「先生、じゃあ愛ってなんですか?愛してるって簡単に言えそうにないです」
村田先生はコーヒーの香りを嗅いで一口のんだ
間をおいて・・・
「恋はするもの、愛は育てるもの、これは世界共通」
「育てる・・・」
「そう、きっかけを経て長く一緒にいるとできるもの・・最初っから愛してるなんて言えるわけないよ」
「親子の愛情・・・とかも?」
「生まれたすぐの赤ん坊に愛しいと思う母親はいるけど愛してるなんて言う母親はいない・・・一部、例外的に異物としか見ない母親もいるけどね」
村田先生は苦笑してパフェのプリンをつつい
「いびつな愛だってある・・・でも二人の間にできた愛に正解はない、世界の常識も通じない」
母さんの愛は・・・どうなんだろう
生まれてすぐ僕に恋をして
育てて、一緒にいる事で生まれた愛
異形な愛
でも・・・母さんにとって赤ん坊は真っ白い画用紙・・・僕は作品だもの・・・
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