「さぁ、入りたまえ!我が城へ!」
「・・・・汚い、散らかりすぎです」
荷物をまとめてやってきた彩花さんのマンション
散らかりまくっている
なんだここは
彩花さんはアワアワして焦っている
「あ、あれぇ?おかしいな、ち、ちょっと待ってて」
彩花さんはスマホで電話をかけている
・・・さっそく掃除から始めようかな
「ま、マネージャー!掃除しといてって言ったでしょ!?ふぁっつ?なによそれ!マネージメントするのが君の仕事ではないのかね!ふぁい!?」
まぁ、ゴチャゴチャしてるけど
おしゃれな家具がたくさん
お掃除は好きだし
「君はクビだよ!くぅび!意味分かる?最後通告だ!弟くんに恥さらしたでわないか!なっ!?自業自得だとぅ!?」
キッチンは割りと綺麗だ
いや、使ってないから散らかってないだけか
「君のファンキーな頭にはほとほと呆れたよ!私の人脈の広さと恐ろしさを知ってなおそんな軽口を叩けるのかね!」
「あの、姉さん」
「ふぁっきん!はげ!薄毛!坊主じゃなくて君ははげ・・・・はひ?」
「姉さんも手伝って?」
「あ、、、、はぃ、、、」
彩花さんの顔がとろんとなった
そして涙を流した
僕、なんかした?
強く抱き締められた
「もっかい言って、わんもあ!ぷりーず・・・」
「彩花さんもお掃除手伝ってください」
「うぇぇ・・いじわる・・・お姉ちゃんって呼んでくれたぁ」
そんなに嬉しい事かな?
しかし・・・呼ぶたびに毎回こうなりそうな予感がするからやっぱり彩花さんって呼ぼう
ここからは学校までわりと近いしよかった
転校はしたくなかったし
「瑞希くん、夕飯できたよ!たーんとお食べ!」
「・・・・・肉?」
ステーキ肉を焼いて胡椒と塩をふっただけのやつ
「アメリカンはステーキが好きなのさ」
またドヤ顔してる
「彩花さん料理苦手?」
「苦手じゃない、得意でもないよ・・・き、気に入らなかった?」
一口食べた
お肉はいいけどちょっと物足りない
「彩花さん、ちょっと待ってて」
「ん、うん・・・」
冷蔵庫を開けてみて
うん・・・できるな
ステーキソースを作ってお肉にかけた
「食べてみて?」
「ん・・・・べりうま」
「英語なのか日本語なのかわかんないんですけど」
「おいしいよ!」
彩花さんとは姉弟なのかぁ
まだ全然実感がないけれども
子供のように笑う彼女を見てるとなんだか心がなごむような気がした
僕はこれからここで暮らすのか
母さんはどうしてるのかな・・・
僕は・・・大丈夫だよ
母さん
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