彩花さんから聞いた話はこうだった
母さんとお父さんが結婚してすぐに彩花さんが生まれた
その後に僕が生まれたが母さんとお父さんは不仲で夫婦生活はなかった
探偵に調査を依頼すると不倫が発覚
その男・・・つまり僕の父親が母さんと不倫して
僕が生まれた
ややこしい話
なんだか冷静に話を聞いている自分にびっくりだ
「えっと・・・」
「彩花さん?」
「率直に言う、君を引き取るつもり」
彩花さんは僕の肩に手を回した
「私が君を養う、学費も出す・・・君には私の家族になってほしい」
「そんな・・いきなり言われても」
「えと・・・・私は24歳で君は16歳?だったよね?・・・ダイジョブ!おねぇちゃんが守ってあげるぅ!」
ニコッと笑ってくれるけど
不安でいっぱいだ
「あの、お父さん・・・彩花さんのお父さんは?」
「あー・・・去年亡くなったの」
彩花さんはコーヒーを一口飲んでため息をついた
「いい人だったよ・・・私に写真のすべてを教えてくれたんだ」
「・・・師匠であり父親みたいな?」
「そうそう!それ!」
彩花さんも大分苦労したみたい
母さんと離婚してアメリカで暮らした事もあったらしい
「ま、私は有名人といっても駆け出しだからゼータクはできません」
「なら嫌です」
「おい!?文句言わないで!私と一緒に暮らそうよ!」
「僕、贅沢したいです」
「し、仕事がんばるからっ!」
「欲しい物買ってくれる?」
「ど、努力する!」
「・・・・ほかに行くところ、無いもんね」
「・・・血のつながりはある、私が君を引き取る手続きしてくる・・・」
ぎゅっと抱き締められた
「私が君を幸せにする」
「彩花さん・・・」
「逢いたかったよ、瑞希」
心地いいような、よく分からないかんじ・・・これが安心するって感情?
「ねぇ・・・?」
「ん?」
「あの公園で僕の手を引いて笑ってくれた事、おぼえてる?」
「もちの!ろんで!・・・あの公園で見かけたときはもう運命感じたよ、うん」
「・・・僕は探し当ててみつけたんじゃなくて?」
「ぎくっ!」
「そういうのは口に出すもんじゃないですよ、図星ですか?」
彩花さんは涙目で僕を見つめる
「だって・・・だってだって!ずっとずっと逢いたかったんだもん!ストーカーちっくな事もしちゃうよ!」
この人は
僕の事、大事に思ってくれているみたい
なんだかよくわからないけれども
この人に手を引かれて歩いていってもいいかも
って思った
どうなるのかなぁ、僕は
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