姉さんが真剣な目でモデルさんを撮っている
男性のモデルさんだ
かっこいいなぁ
「もっと挑発的な目をしてくれる?私を敵だと思って」
西野さんはため息をつく
「俺は先生みたいにはなれないよ」
「えっ?どうしてですか?」
「先生は幼い時から色々な事を身に付けてるからね・・・感性もセンスも僕は追い付けないよ」
西野さんはメガネをくいっとなおした
「でも追いかけるんだ、俺は」
「西野さんは姉さんが好きなんですか?」
「え、ちがうよ、、、そういう好きとかじゃないよ、、」
照れてる
きっと好きなんだなぁ・・・
でも姉さんは渡さない
ぜったいに・・・・あー、僕も嫉妬さてるし
姉さんがモデルさんと握手した
にこやかに笑った後僕に駆け寄る
「仕事おわたぁ!」
すっごい笑顔で僕に膝をついて抱きつく
いつもこうだよなぁ
「おつかれさま、姉さん」
「んぁあ、、、癒される」
てか、これは見られていい抱擁なのか
姉さん、よくわかんない
仕事が終わったので西野さんと他のスタッフさんたちと打ち上げに向かうことに
「瑞希くんっ」
「ん?」
「寒いから手つなご?」
「見られていいの?、、」
「見せつけようかな」
姉さんと手をつないで車まで向かうと
パシャッとシャッター音
二人で振り返ると西野さんがにやにやしながらカメラを持っている
「恋人みたいな姉弟ですね」
撮られちゃったよ
でも手は離せない
「えー?みんな!西野くんが全員ぶんおごってくれるそうですよ!!」
姉さんが叫ぶとスタッフの皆さんが歓声をあげる
「ちょ!先生!」
「ごちになります、西野くん!」
「あー、写真撮らなきゃよかった・・・くはぁ」
姉さんがニコッと笑う
なんかやっぱり姉弟なんだなぁ
僕も似たような返しをよくするし
居酒屋に入った
入っていいのか、僕は
まぁ、保護者同伴だしいいか
「はい、おつかれさま!」
姉さんが乾杯をしてまわる
最後に僕と乾杯して隣に座った
「いやぁ、いい仕事の後のビールはよいねぇ」
姉さんお酒弱いのにそんなぐびぐび飲んで平気かなぁ
「瑞希くん心配しないで!ノンアルコールだから!」
「ドヤ顔で言わなくていいって」
「きゃ、、ごめんなさい、、」
そうか、姉さん車運転しなきゃいけないんだな
ほんと・・・変わった
僕の生活
母さんが亡くなってから
でも・・・・
まだ感じる
母さんにつけられた鎖が
僕の体中についている
がんじがらめになって自由に動けないかんじがする
いつかほどける日がくるかな
※元投稿はこちら >>