ちょっと肌寒くなってきて
鍋をよく作るようになった
「姉さん」
「んにゃに?」
「そこ、つっこまないよ・・・えと、なんで偶然あそこにいたのかなーって」
「ん?あぁ、、、」
姉さんが抱きついてきて
僕は受け止める
「仕事が手につかなかったんだ、、君がいなくなってからずーっとね」
「あー、、つまり、、」
「ぶらぶらして、瑞希くんに会えたらいいなって、、、うはぁ、、ストーカーじゃん私、、」
姉さんが僕の背中をつねる
「いたた、やめてよ」
「恥ずかしぬ、、、」
「はいはい、しなないで、姉さん、、、」
「ん、好き、、」
キスしようとしたけど直前で我に返った
「姉さん、桂さん来るんだよ?あんまりイチャイチャしてられないよ」
「ハゲはいつでも邪魔するなぁ・・・んっ、、、」
やっぱりキスしちゃった
もちろんまだえっちはしてない
ってか今したキスはここに戻ってきてから初めて
間が空いたからかまた恥ずかしくてたまらない
桂さんがきた
今日は鍋パーティをやりたかったらしい
桂さんを呼ぶってことはやっぱり姉さんと仲は悪くないんだよなぁ
他にもゾロゾロと見知らぬ人たち
たぶん写真業界の人かな
「さぁ、来たれ!鍋に集いし野獣ども!」
姉さんがおたまをマイク代わりにしてなんか始まった
「今宵はおおいに飲み、節度を守って歌い!騒げ!」
姉さんが鍋つかみを手にはめてむんずと鍋の蓋をとった
「鍋の蓋は開かれた!さぁ、食らうがいい!」
・・・・・・・写真家の人たちっておとなしい人ばかりなんだな、桂さんみたいなタイプが多いのか
静かにいい雰囲気
なんか大人な人ばかりだ
「・・・なんかつまんない」
「姉さんって業界で一番騒がしい人?」
「・・・かもね」
鍋はぐつぐち煮えている
姉さんは鍋奉行になったがお客さんたちは適当に流して好きなタイミングで具をさらっていく
「瑞希くん、つみれが煮えたぞ!食いたまえ!」
「まだ煮えてないよ?」
「う・・・鍋奉行って難しいよ」
「姉さん、無理しないの」
頭を撫でるとふにゃふにゃする姉さん
よかった
またここに戻ってこられて
本当によかった
桂さんが隅っこでキムチ鍋をつついている
鍋は数種類用意した
なんだか色々な人が来てるけど
やっぱり落ち着いた雰囲気の人ばかりだ
どんな人なのかなぁ
話を聞いてみたいかも
さっき軽く挨拶はしたけど、仲良くなれるかな
「瑞希くん、これ煮えてると思う?」
「鍋奉行、僕やりましょうか?」
「・・・・よい、任せたまえ」
困った姉さん
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