裸足で家から飛び出た
姉さんに会いたい
僕が間違ってたんだ
せっかくの幸せを捨ててしまった
「姉さん、ねえさん・・・おねえちゃん、どこなの?どこにいるの?」
後ろから母さんが追いかけてる
逃げなきゃ
逃げなきゃ・・・・!!
街をさ迷った
いるわけない、姉さんはきっと僕の事なんか
「瑞希くん!!」
道路の向こう側に
姉さんがいた
「おねえちゃんっ!」
「おいで!こっち!」
嬉しくて、駆け出したけど
「みずきぃいいい!!」
母さんが僕を追ってきている
僕は車の行き交う道路に飛び込んだ
「ばか!危ない!」
頭が真っ白になった
びーっ
クラクションが鳴って車が迫る
もうダメだ
しんじゃうんだ・・・
「瑞希っ!」
突き飛ばされた
母さん・・・・?
ドンッと僕の前で母さんが吹き飛んだ
僕はとっさに母さんに駆け寄る
「母さん、母さん!しっかり!」
「瑞希・・」
「母さん、しなないで!母さん!」
「・・・きれい、瑞希・・・すごく・・・きれい」
それから一週間、母さんが亡くなって葬式もなにもかも終わって
ようやく落ち着いた
僕は姉さんの部屋に呼ばれた
久しぶりに来た部屋はまた散らかっている
「えと、お茶お茶・・・」
「姉さん、僕が用意するよ」
「うん、、、ごめん」
向かい合うように二人で座って
お茶を飲んだ
姉さんが僕を見つめる
「こうなるだろうって思ってた」
「・・・・止めなかったのはなんで?」
「きっと瑞希くんは言っても分からないと思ったから」
「ごめんなさい・・・」
姉さんが僕の隣にきて
キツく抱き締めてくれた
「私にとって人生で一番大切な事は写真を撮ること、二番目は瑞希くん、君だよ」
「にばんめ・・」
「瑞希くん、ごめん・・・ロマンチックな事言えない女で・・・」
姉さんが僕の頭を撫でてくれる
「母さんは瑞希くんが人生で一番大切だったんだよ、それくらい執着してた・・・・私はああはなりたくないんだ」
「姉さん?」
「執着して、重い重い愛を捧げ続けたら、きっと受けとる側は壊れちゃうよ」
姉さんは涙目で僕を見つめる
「私にとってかけがえのない人は瑞希くん・・・」
「姉さん・・・」
「私も母さんに似てる・・・君を壊したくない・・だから君は二番目、君が心地よく感じる愛を捧げ続けたいんだ」
「姉さん、よくわかんないよ、、」
「うはぁ、、ごめんっ、、」
ちょっと笑ってほぐれた二人の距離
「姉さん」
「ん?」
「また、二人で暮らしたい・・・できればずっと、、」
姉さんは返事を返すようにキスをしてきた
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