テスト期間が終わって学校に満ちるだらだらだらけた緩んだ空気
僕は席替えで窓の近くの席になった
遠くのほうを見つめて
考えるのはいつも姉さんの事
恋・・・なんだよね
よく考えたら初恋じゃん
僕、いままでこんなに好きになった事ないや
あー・・・家に帰りたい
ホームシックってやつ?
プチホームシックだ、きっと
「瑞希、どうした?」
「ん?ゆーふぉーが飛んでたから見てた」
「まじかよ!どこだよ!」
「あっち」
クラス全員が窓際に集まる
なんかみんなキャッキャして楽しそう、ユルユルでなごみます
お昼、いつもどおりに村田先生と昼食をとる
「んまぃ・・・やるね」
「昨日の残りですけど」
村田先生にいつもおかずありがとうございます、財布が助かりますって言われて最近少し手抜きしてる
「ね、瑞希くん」
「はい?」
「君、お姉さん好きでしょ?」
「・・・・ノーコメントで」
「なんだ、つまんないの」
図星でドキッとした
そんなの言えるわけないじゃないか
好きだよ・・・大好きだよ
けど言えないんだよ
「お姉さん、かわいいよね」
「・・・普通です」
「モテそうだよね、彼氏さんいるの?」
「いません、、、」
「顔、赤いよ?」
「う、、、」
村田先生は鼻で笑って頭を撫でてきた
「無理しない、顔に出てる」
「・・・・好きですよ」
「まー、あんなかわいこちゃんが姉さんだったらね」
「ずっと僕をおもっててくれてたらしくて、、、その、、、」
「うんうん、よいよい」
「先生は・・・」
「ん?」
「引かないんですか?」
「まったく」
村田先生は弁当箱をぱたんと閉じた
「恋愛は自由だよ」
「・・・・でも」
「お姉さんを大切にしてあげる、単純じゃない」
「・・・うーん」
「いいか、よく聞け、男は先の事考えすぎるから弱くなっちゃうんだ」
「え?」
「男なんだからバカでいいじゃない」
「性差別はやめてください」
「じゃ、またね・・・あ、そうだ、最近手抜きが目立つ、明日は凝った物つくってこい」
出てった
やっぱり変な人だな
母さん、どうだろうか
もう忘れてしまわなければいけない存在なのかな
また、面会に行こうかな
でも怖いな・・・
電話だけでもしようかな
・・・・・あの猫撫で声を聞いたらまたブルブル震えてしまうかもしれない
母親と、どういう関係を築いていったらいいのかな
僕はたぶん一生悩むんだろうな・・・・・
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