平日、夕食の後はだいたいソファで寄り添ってテレビを見てる
イチャイチャする事は・・・まだお互い恥ずかしいからあんまりない
「瑞希くん、それなに?」
「ん?新しい炭酸ジュースだよ」
「へー?一口ちょーだぃ」
「いいよー♪」
姉さんにペットボトル渡す
一口飲んで微笑んだ
「すごい人工甘味料だね」
「甘いって言いなよ」
「うへぇ、、甘いー♪」
姉さんかわいいなぁ
二口めを飲んでいる
「ねぇ?」
「んー?」
「姉さんと二人で一緒に育ってたらどうなってたかな?」
「きっと、シスコンブラコン姉弟になってたね、間違いない!」
「、、、つまり今とあんまり変わらないと?」
「そっ♪」
まぁ、でも・・・恋愛関係にはならなかっただろうな
こんなに好きなのは・・・離ればなれで距離があったからかも
わかんないや・・・・
「ふーん・・・」
「なに?」
「いや、テレビ見てて思うんだけどね、日本って息苦しい国だよね」
「え?そうかな・・・」
姉さんがスモークチーズをつまんだ
「私はこれが好き」
「うん、いつも言ってるね」
「瑞希くんのまわりには一途に物を大切にしたり、好みが変わらない人とかいる?」
「・・・・いないと思う」
「流されて生きるのって楽なようで辛いよ」
「でも日本は安全だし、水道も綺麗な水が出るし」
姉さんは指をたててチッチッと振った
「安全と水は無料だと思ってるのは日本くらい、ま、豊かな証拠なんだろうけどさ・・・」
「ふーん」
「好きな人の基準もあやふや・・人の個性も多様性で見ない良いか悪いかのどっちかで、人目を気にしなきゃいけないし・・・なんか息苦しい国だよ」
「姉さんはどの国が好きだった?」
「欧州とか・・・スイスが一番好きだったな、父さんと一番長く居たからかもしれないけど」
「・・・父さんはどんな人だった?」
姉さんはため息をついた
すこし悲しそうな目をした
「いい人だったよ、生きる術を教えてくれた・・多様性って言葉も」
姉さんが僕を見て頭を撫でた
「父さんも瑞希くんの事、ずーっと心配してたよ」
「そうだったんだ・・」
どんな人だったんだろう
姉さんと離れたのは僕が6歳くらいの頃らしいけど
あまり覚えてないなぁ
「ま、私のほうがずっとずっとずーっと心配してたんだけどね!」
「ドヤ顔しないの」
「えへへぇ///」
姉さんもたぶん苦労したんだろうな
僕の事、ずっと想っててくれたんだな
やっぱり嬉しい
もっと近づきたいけど
壁がある
僕たちは姉弟
どんなに興奮してても
それが僕たちを阻む
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