「えー、本日は私の撮った写真展にご来場いただき、感謝します」
姉さんが来客してくれた人たちに挨拶している
うちではフニャフニャなのにちょっとかっこいいなぁ
「私は物を撮る時に意識している事があります、シャッターを押す前に私というフィルターを介して物を写しているという事」
姉さんはカメラを手に持った
最新型のカメラだ
やっぱりプロなんだな
「人によって物の見方が違うように、写真は撮った人の価値観や人生観が現れるものだとおもいます」
僕は村田先生とならんで聞いている
「姉さん、かっこいいなぁ」
「私のが年上なのに・・・しっかりしてるわ」
「村田先生って何歳ですか?」
「・・・・」
無言で頭を撫でられた
姉さんがこっちを見てすこし表情を変えたような気がした
「えー、本日はご来場いただき誠にありがとうございました!」
一礼して微笑んだ
やっぱりかわいいな、姉さん
・・・・あー、もう僕完全に好きになっちゃってるな
またしばらく三人で写真を見てまわって村田先生と別れた
「じゃ、瑞希くん、また学校で」
「はい、また!」
手を振って別れた
「美人な先生だね」
「うん、でも変な人だよ、怖いし」
「・・・・楽しそうな顔しちゃって」
「ん?なに?」
「あ、別に・・・なんでもないよ?」
姉さん不機嫌だなぁ
なんでだろ
写真展が終わるまで何度も写真を見てまわった
なんかやっぱり見入っちゃうな
姉さんはまだやる事があるみたい
夜景の写真、綺麗だなぁ
僕も写真をとってみたい
不意に背中をつつかれた
姉さんが申し訳なさそうな顔で僕を見ている
「ごめんね?先に帰っててもいいんだよ?」
「姉さんと一緒に帰りたいんだ、帰りにデパ地下で買い物してこ?」
「うはぁ、、好きすぎるぅ、、」
抱き締められた
困ったなぁ
姉さん、人目を気にしなさすぎ
「姉さん・・」
「姉さんって言われるととろけちゃいそ・・・、、、」
「見られてるよ?」
「うぐっ?、、、、」
デパートの展望室で自販機でジュースを買った
やっぱり都内は華やかだなぁ
ホッと息をついてジュースを飲む
ため息だけど、悩ましいため息じゃなくて
幸せだなぁ、って思って出たため息
姉さんと再会できてよかった
本当に・・・・
「瑞希くん、お待たせ」
「姉さん、おつかれさま」
姉さんが僕の隣に座った
「なにがいいおごるよ?」
「うは、、じゃあ桃ジュース」
「はいはい」
自販機に小銭を入れた
姉さんの好みも覚えないとなぁ・・・
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