桂さんがすぐに病院に電話してくれた
逃亡を謀ったらしい
あと少しで逃げられるところだったと
「瑞希くん、安心しなさい」
「はい・・・」
「怖かったか?」
「・・・今までこんなに手が震えたりする事無かったんですけど」
母さんの声を聞いた途端
僕の体がブルブル震えてとまらなくなった
「瑞希くん、それは・・・心が正常になったんだよ」
「・・・意味がよくわかりません」
「今まで毎日のように受けていた事は痛くて痛くて仕方なかったはずだよ、それが麻痺していてわからなくなっていたんだ」
「・・・・愛情だと思ってました、すこし方法が違っていただけで」
「違う」
「え?」
「君の母親は君を愛していたんじゃないよ」
「・・・僕はまだよく分からないです」
桂さんにマンションまで送ってもらった
落ち着く
ここは僕の帰る場所なんだな
「一人で平気か?」
「・・・・これでも男ですから」
「強いな、なにかあったらすぐに連絡しろ」
「・・・はい」
桂さんが帰ってしばらくして
彩花さんが帰ってきた
「瑞希くんっ!」
「お姉ちゃん・・・」
「怖かったね・・・もう大丈夫だよ?」
なんか高校生にもなってこんな子供扱いされるなんて恥ずかしいな
「合コン、楽しかった?」
「・・・つまんないよ、瑞希くんの事ばっかり考えてた・・・・今度誘われたら一緒につれてく」
抱き締められたまま
どのくらい時間がたっただろう
「お姉ちゃん・・」
「ん?」
「僕、お姉ちゃんが合コンで誰かと楽しそうに話をしてるとこ想像したら・・・なんかイライラしちゃった」
「ふぇ?瑞希くん?」
「嫉妬・・・かな?」
彩花さんの目を見つめる
どことなく似てるのはやっぱり姉弟だから
「・・・お姉ちゃんは瑞希くんのものだよ」
「うん・・・誰にも渡さない、僕のお姉ちゃん」
何言ってるんだろう、僕
これ、まるで恋人同士の会話みたい
眠たくなって・・・抱きついたまま眠ってしまった
目が覚めると彩花さんに抱き締められたまま毛布にくるまっていた
「あちゃ・・・なんか恥ずかしい事言ってたな」
起き上がってエプロンをつけた
朝食作んないとな
「おはょモーニング」
「日本語でお願いします・・・・おはよう、彩花さん」
「あれ・・・もう朝かぁ」
簡単な朝食を作ってテーブルに置いた
「瑞希くんは私の守護天使ですね、家事的な意味で」
「それはそれは、どーも」
「毎朝ご飯が出てくる・・・うはぁ、、、サイコー」
この生活が幸せだと感じる
姉さんとずっと一緒にいたいなぁ
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