彩花さんは暇があればカメラの手入れをしている
やっぱりプロなんだなぁ
「・・・うむ、悪くない」
「なんだかプロっぽいね」
「うへぇ、、、プロっぽいんじゃなくてプロです!」
彩花さんのドヤ顔も見慣れてかわいく思えてきた
「今日は昼から仕事があるんだ、ごめんね?瑞希くん」
「ん?へーきだよ?お仕事がんばってね」
「あぁ・・・私幸せ」
抱き締められて
ずっとこうされてたいって感じるようになってきた
だんだんとお姉さんなんだなって自然と思うようになってきた
「瑞希くんは寂しくない?」
「ん?えー・・・実はいつも寂しいんだ」
「よし、仕事キャンセルする!」
「えー・・・」
「うは、、、、ジョークです、ジョーク」
僕は彩花さんの腰に手をまわして抱きついてみた
彩花さんは嬉しそうな顔をしてさらにキツくだきしめてくれた
「母さんにいやらしい事されるたびにどんどん強くなってくの・・・学校にいても街中にいても・・・僕が異物のような気がして・・・みんなと違う気がして」
「瑞希くん・・・それは孤独なんだよ」
「孤独?」
「そ、孤独・・・寂しさは一人ぼっちでいる時に湧いてくるもの・・・孤独は誰にも共感されない、心が孤立してる時に湧いてくるもの」
「・・・僕、変だもんね」
「瑞希くんの味方はお姉ちゃん!おーけぃ?」
ニコニコ笑ってくれる
なんか心があったかくなる
母さんといた時は愛されてる時以外、寂しくて切ない気持ちになってばかりだった
母さんがすぐそばにいても感じてた
「よし、じゃあ行ってくるよ」
「彩花さん、いってらっしゃい」
「瑞希くんに自然にお姉ちゃんって言われるようになりたいなぁ」
「えー、でも言ったら彩花さんがデレデレフニャフニャになってちょっとめんどくさくなるよ」
彩花さんは苦笑いして頭をぽりぽりかいた
「た、耐性が無いだけだよ!君はたくさんお姉ちゃんって言うべき!」
「考えときます♪」
「う、、すぐ帰るからねっ!」
さて、僕は何をしてようかな
休日に遊べる友達も趣味も・・・あまり無い
あぁ、僕は繋がりが少なすぎるんだな
だから寂しくなるんだ
すこし出掛けようかなと思うけれど
なんだか不安になる
自分の家が不安定だとそうなるって本で読んだ事がある
「成長しなきゃね・・・」
今日は色んな所に行ってみよう
なにか見つけられるかもしれない
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