彩花さんが帰ってきて、ほっとひと安心
「ただいまっ」
「おかえりなさい」
「うぅ・・・夢ではないよね、かわいい弟くんが出迎えてくれるなんてぇ」
「泣かないでくださいよ」
彩花さんの頭をなでなでしてあげる
身長差はけっこうあるんだよなぁ
僕もカルシウムとって背伸ばそう
「あぅ、、、瑞希くんもっと撫でてぇ」
「はいはい」
「うひぃ、、、」
なんだか分かりやすい人だなぁ
一緒にいて落ち着く
彩花さんが膝をついて抱きついてきた・・・この人何歳なんだよ
「・・・これが弟か」
後ろのほうでこっちを見ている大男
坊主できりっとした顔立ち
30代くらいの男の人だ
「かわいいでしょー♪ハゲ?」
「ハゲじゃない、坊主だ」
僕をじーっと見ている
彩花さんは僕に頬擦りしている
なんなのこの状況
「桂一だ、こいつのマネージャー」
「こいつ言うな、ハゲ!」
なんかよくわかんないけど
マネージャーさんって
「写真家さんにもマネージャーさん付けるんですね」
「こじんけいやくぅーだよ」
「個人契約?」
「私、スケジュールとか予定組むの苦手だから♪」
「あぁ、姉さんらしいね」
「サラッと言わないで、傷つく・・・・てか、姉さん!姉さんって!、、、、、、もっかいもっかい!」
・・・・・・ちょっとめんどくさい
やっぱり彩花さんって呼ぼう
夕飯は三人で食べた
桂さんは無口なんだなぁ
彩花さんは僕としゃべってばっかり
「あの、桂さん」
「・・・・・・ん」
「その、彩花さんとは友達ですか?」
「・・・・・・・くされ縁」
どんっと彩花さんが机を叩いた
「ヅラのくせに生意気!」
「・・・・瑞希くん、酒ある?」
「あ、はい・・・」
彩花さん無視されてる
たしか棚にお酒あったな
バーボンとウィスキー
よくわかんないけど持っていく
「・・・・・悪いね」
「いえいえ!」
彩花さんは桂さんをじーっとにらんでいる
なんだかんだで仲は良さそうだ
「無視すんな・・・解雇するぞ」
「・・・・・解雇したらお前はどうするんだ?予定組めるのか?」
「しゃらっぷ!ユー!私をなめるな!」
一時間後
彩花さんはよっぱらって動かなくなった
「・・・・酒弱いのにこんないい酒常備するなよ」
桂さんはため息をついて彩花さんにデコピンした
「・・・・俺、帰るね」
「あ、はい、またいらしてくださいね」
「・・・・瑞希くん」
「は、はい?」
「こいつ、昔っから君に会いたがってたんだ、大事にしてやってくれ・・・・じゃあな」
スタスタとあっという間に帰ってしまった
なんだか・・・彩花さんのいい友達みたいだな
※元投稿はこちら >>