おとうさん
って呼ばれると
俺は嬉しくて自然と微笑んでしまう
彼女が世界一大切で
彼女より愛せる人などいない
「おとうさん」
「ん?なんだ?」
「・・・んとね」
「んー?」
彼女はもじもじしながら俺にすり寄る
かわいくて愛しくって抱き締める
「どうした?」
「・・・あのね、好きなの」
「あ、、あぁ、、俺も好きだよ」
「うん、、、嬉しい」
「結愛、どうした?」
「もっとずっと一緒にいたいの、、、大好きだから」
もうたまらなくて
愛しくて
最近二人で昔話をよくするようになった
よく二人で出掛けたところをまわってみたり
結愛の好きだった公園の遊具はまだある
「おとうさん」
「ん?」
「おとうさんは、いつかしんじゃうよね?」
「・・・まぁ、な」
「・・・怖いなぁ」
「結愛・・」
結愛が何を恐れているか分かる
俺が消えたら結愛は一人で生きていかなくてはいけない
「私も・・一緒にしぬ」
「おい、結愛?」
「おとうさんと一緒にいたいもん」
「結愛、だめだよそんな事言ったら」
結愛は弱々しい
守ってやらないといけない
でも、守るだけじゃいけない
結愛を強くしてやらないと
俺は屈んで結愛の頭をなでた
彼女は涙目で俺をみつめる
「結愛・・・強くなりなさい」
「・・・ん」
「結愛を愛してる」
「私も愛してる」
「帰ろう、おうちに」
「うんっ、、、」
夕暮れ、日が落ちて
街灯が二人を照らす
手をつないで二人の影は細く長く延びて
闇へと続いている
俺たちの進む先は
闇なのか?
俺は地獄に落ちてもいい
だが結愛は
結愛だけは・・・
幸せになってほしい
「おとうさん」
「どした?」
「ん、、、」
「っ、、、」
結愛が背伸びをしてキスをしてきた
俺も答えるようについばむ
二人の影がひとつにかさなる
結愛、二人の幸せをみつけよう?
ずっと幸せでいられる方法を
これからきっと忙しくなる
いろんな事があるだろうけど
お父さんはいつでも結愛の味方だから
お父さんはいつでも結愛を見守っているよ
結愛とずっと一緒にはいられないかもしれない、だから前に進みなさい
怖がらなくていい
恐れなくていい
帰る場所はここにある
お父さんはいつでもここにいる
だから・・前に進んで
泣きたくなったら泣いていいよ
結愛、愛してる
愛してる・・・・・
愛してる・・・・・
君の事を誰よりも
愛している
[終わり]
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