母親の事は思い出したくないけれど・・・
パッと頭に浮かぶ辛い記憶
彼女といると泣いてばかりだった私
きっかけは・・・ないと思う
でも彼女のお腹にいる時から感じてた
「お前なんか邪魔だ」って
赤ちゃんの頃記憶は微かにある
お父さんは私を抱き上げて愛しいような目をしているその後ろで・・・お母さんは私を恨めしい顔をして見つめていた
私が小学校に通うようになった頃
お母さんは私を叩くようになった
私が悪い事したからだって
それがなんなのか分からなかった
でも悪い事をしたらしかられるのは普通だから・・・我慢してた
雪が降った日
お父さんは私を天使のようだと言って抱き締めてくれた
すごくすごく嬉しくで
すごくすごく暖かかった
でもお母さんは
私を悪魔のようだと言った
だんだんと・・・・
お母さんが力をこめて私を叩くようになった
他にも色んな事をされた
私は・・・・
お母さんも好きだった
大好きだった・・・
でもお父さんはもっと好きだった
中学にあがるとたくさん告白された
かわいいって、みんな言ってくれる
でも・・・お父さんにかわいいって言われるのが一番嬉しくて・・・
お父さんを異性として意識するのはこの頃
もうそれなりに知識はあった
私はお父さんになるべくくっついて
いつもこのまま押し倒してほしいって思ってた
でも、お父さんは私を優しく撫でるだけだった
・・・普通なの
でも足りないの
貴方の愛がほしいの
お母さんは家に男を連れ込んでくるようになった
私を襲うように仕向けた事もあった
私は一生懸命逃げてお父さんが帰るまで友達の家にいた
ある日・・・彼女は言った
「お前が悪い」
私は問いかけた
「私がどんな悪い事をしたの?」
彼女は答えた
「お前が無事に産まれてきた事」
「結愛?」
「ん・・・」
「うなされてたな?大丈夫?」
「・・・うん」
お父さんとお昼寝してたんだった
なんだか不安になってお父さんに抱きつく
「私・・・たまに溢れそうになるの」
「ん・・・?」
「昔あった事・・・言いたくない・・お父さんを苦しめてしまうから・・・でも・・・苦しくなって・・・分かってほしくて」
お父さんは強く抱き締めてくれて・・・
こう言ってくれた
「全部言いなよ、結愛は苦しまなくていいんだ」
「でも・・」
「ほれ、聞いてやる」
手を握ってくれた
私はすべて話した
お父さんは笑って私を抱き締めた
「結愛は天使だよ」
「ん・・」
「愛してる、結愛・・」
今、私は幸せ・・・これ以上望まない
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