歩の額から流れる一粒の滴
彼女の頬に落ちて、美しい首筋を通って、ふっくらした胸の間に・・
「君、ほんとセンスあるよね」
「ふぇっ!?」
歩に見とれてた
あぶないあぶない・・
歩はラジコンの本体をいじっている
「大会、入賞できるかもね」
「入賞?優勝するよ」
「それはさすがに・・」
「俺はやってやる」
「へぇ・・」
歩は苦笑いをしているが俺の目を見て笑うのをやめた
「じゃ、もっと練習しよう」
「おぅ!」
夕方
薄暗くなってきた
母さんは畑の手伝いをしてくると言ってたな
「村田くん、そろそろ帰ろうか」
「おぅ・・」
「ん?」
「ごめん・・ちょっとしんどい」
「ど、どした?」
やっぱ、俺・・・体弱いんだな
暑くなってくるだけどすげぇ、きつい
俺は座り込んでため息をついた
「歩、先行ってて」
「やだよ、気分がよくなるまで待ってる、待つのは得意だしね」
「・・俺の弱ってるとこ見んなよ」
「・・見る」
「う・・」
歩は俺の背中をなでなでした
すこし気が楽になった
「かっこわるいよな、体弱いなんて」
「ううん、そんな事ない」
「女って強い男のほうがいいんだろ?そっちのがモテるって聞いた」
歩は俺の言った事を聞いてクスッと笑った
「ふふっ、だからいつも強気で男らしい事言って気を張ってるんだね・・女の子はそうゆうのあんまり気にしないよ」
「へぇ・・なんだよニヤニヤして?」
「いや、かわいいなーって思った、小型犬が意地張ってるみたいで」
「お前のほうがかわいいよ」
「っ!・・それをさらっと言うな」
「ふぁ・・しんどい」
なんとか歩いて帰った
「亮太くん?どしたの?」
「いつもの事だよ」
「もう・・おいで」
母さんが膝枕してくれた
すげぇ癒される
(。・ω・。)いや・・まずい
歩がマザコンっぷりに引いてしまうかもしれん!
「母さん!もういいよ」
「え?・・あぁ、ごめんね」
母さんは察したのかニヤついて俺の肩を叩いた
「意地張ってこそ男!見栄張ってこそ男!・・けど無理はしないの、ね?」
「はいっ!」
とりあえず助かった
歩は風呂に入ってるようだ
「じっちゃん!」
「おう?」
「軽トラにのせて!」
「ん、いいだろう!」
じっちゃんは昔、車屋さんだった
整備から販売まで色々やっていた
じっちゃんの車庫には軽トラ一台のみ
だがこの軽トラは普通の軽トラではないのだ
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