高速道路走行中
歩が運転してくれて助かった
胃がキリキリする
歩はニヤケながら運転している
「おい、この車いつ買ったんだよ」
「ん?この前」
「・・・ずるいぞ」
「へへ、いいだろ」
「BMW M6・・てめぇ、いつからそんな金持ちになった」
「昔から小金持ちだ、あとこれはお客さんからの貰い物だ、安く譲ってくれた」
「まさか俺みたいな手口をつかって・・」
「ねーよ」
道のりは長いな
結愛はとなりでスヤスヤ眠っている
「結愛かわゆす・・」
「私はお前のほうがうらやましいよ」
「はは、そうかよ」
我が実家についた
落ち着いた色のスーツ着た初老の老人がたっていた
「三井です、お帰りなさいませ、お坊っちゃま」
「う、う・・どうもです」
ぼっちゃま・・なんかむずがゆい
たしかにお袋は手広くやってる商売人・・金持ちの息子だからそうなるが
(。・ω・。)なんかやだ!
「リアル執事さん・・」
結愛が目をきらきらさせている
「お嬢様、お茶を用意してありますこちらへ」
「はぁ・・はぃ」
結愛・・うっとりしている
こうゆう扱いされるの好きだもんなぁ
居間に案内された
ソファーに座る
三井が小さな封筒を差し出した
「・・遺書になります」
「・・拝見します」
俺は封筒を開けた
手が震える
亮太へ
まず言っておく残した商売の後継人は決めてある
お前は何も継がなくていい
お前は私を恨んでいるだろうな
私は悪い母親だった
それは認める
わざとそうした
お前を突き放すように育てると決めた
手に力がこもる
怒りが込み上げる
だが読む・・読み続ける
私は成り上がりの商売人だ
成り上がりの二代目は必ずダメになる
私のまわりの人間は皆そうなった
なぜダメになるかは考えればわかるだろ?
何代も続く資産家との違いは・・何か?これは自分で考えてみろ
金は一瞬で人間をダメにする・・堕落して何もできない人間にな・・幼い頃からそんな環境だと尚更だ、私はお前にそうなってほしくなかった
幸いお前は自分の力で仕事を見つけ、実力もついていい仕事をしているようだ
ここに私の言い訳を書くつもりはない
最後にこれだけは言わせてくれ
亮太、お前が世界一大切だ
お前を愛しいと思わない日はない
お前を産んで本当に・・本当に良かった
読み終わって・・
わけの分からない感情に手が震えた
涙がとまらない
泣き崩れた
大声で泣いた
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