焼き鳥屋で少し飲んで歩に家まで送ってもらう事になった
「乗り心地最悪だな!」
「それがいいんだよ」
補強するとこうなるんだよなぁ
歩は飲酒してない
俺は軽く寄っている
「な、亮太・・すこし寄りたい所がある」
「んぁ?いいけど・・どこ?」
「行けばわかる」
歩は街の見える高台まで車を走らせた
ここは・・たしか
「俺がお前に告白した場所だよな?」
「うん・・」
夜景がきれいだ
ガキな俺はロマンチックな場所ならオチる!と思ってここを選んだんだよな
まぁ、その前から歩とは仲良しだったし・・お互いセクハラ発言も許容する仲だったからな
「なんだ?歩?どういう・・ん?」
歩は俺に強く強くしがみついてきた
「もう・・辛いよ」
「歩?」
「亮太を捨てた私がバカだ・・ほんっとに大バカだ」
「・・歩」
「親がさ、結婚しろって急かしてきて・・罵倒されて・・悔しくて」
「・・・俺が受け止めてやる準備をしなかったから悪いのさ、俺が悪いよ」
「亮太・・ごめん・・どうしても・・諦められない・・亮太が好き・・大好き・・」
「歩・・」
愛しくなる・・歩は大切なやつだ
歩は俺を見つめると微笑んでそっと離れた
「・・・引っ越しする」
「え!?」
「店辞めて・・どっか行く」
「お、おい・・」
「私・・亮太が一番好き、でも亮太には結愛ちゃんがいる・・私・・もう・・」
こんなに感情的になっている歩ははじめて見た・・
どこへも行ってほしくない・・その気持ちしかない
今度は俺から歩を抱き締めた
強く強く・・
「歩・・」
「はなして・・」
「亮太・・優しいから・・それが痛いよ」
「うるせぇ・・」
「私の気持ち分かってるんでしょ?ずるいよ・・」
「うるせえ!どこにも行くな!行くんじゃねぇ!」
「やだ・・もう亮太から離れる」
夜景・・ビルの光がだんだん強くなるような気がした
どうしても・・してしまった
キス・・してしまった
歩にどこにも行ってほしくなかった
「ん・・」
「・・・っ・・は・・歩、行くな・・どこにも行くな」
「・・・うん」
「・・約束する・・次、生まれ変わったら、お前を迎えに行く、ぜったい、ぜったいにまたお前を好きになる」
「・・・うんっ」
「・・だから・・そばにいてくれ・・二番目だとしても・・いてくれ、俺の近くに」
「うん・・うんっ・・好き」
「・・・俺も好き」
唇を重ねて・・見つめ合った
言葉はいらなかった
二人が求めあえる場所に向かう・・それだけだった
※元投稿はこちら >>