「違う違う!勘違いしないで。まだ早いよ。」
過激な提案をした直後に、すくっと立ち上がった田中に、私と洋子ママはつい身構えてしまった。
さっきの田中の発言からすると、すぐにでも3Pが始まりそうな妖しいムードになっていたからだ。
「これからセッションをやろうよ!久しぶりでしょ。この3人で集まるのは。」
「何だそういうことかあ。ママ、ビックリしちゃつたあ。」
洋子ママが、心なしかガッカリした様子に見えた。
「それで何やるのかしら?」
不貞腐れ気味に、鍵盤に指を置いたようにも見えた。
「俺は、いつものドラムじゃなくて今日はベース。」
田中が、アンプにベースのジャックを差し込んだ。
「健一もギターOKかな?」田中は、実に多才な男だ。ドラムにベース、曲のアレンジおまけにゴルフはこの若さでオフィシャル16と文武両道。父親に小さい時から仕込まれたらしい。卑猥極まりない母マニア同好会にさえ所属してなければ、恭平同様。前途有望な青年のはずなんだが。
「キーは、Cm7。テンポはミディアムでスウィングしてね。」
田中の的確な指示と123の合図で洋子ママの前奏が始まった。田中のベースと洋子ママのピアノのタッチが絶妙に合っている。
さすがに親子だ。阿吽の呼吸とはこのことか。
私も負けじと二人の後を追って、コードを刻む。最近覚えたジャズの変則コードを多用してスケールを適当に弾いただけで、かなり様になっていた。自分の奏でる音に酔いしれる。
「グッドだよ!健一!」
田中が、私を見てニコッとした。
「さあ、ママ行って見よう!」
田中の掛け声で、洋子ママの華麗なアドリブが、鍵盤の上を波のように駆け巡る。ウットリとした洋子ママの表情は、かなりセクシーだ。全身で、曲のスピリットを表現しようとしている。音楽とセックスは表裏一体だ。
この枯葉一曲だけで、セッションは延々と続いた。
田中のラスト!の合図で、ようやく演奏が終わった。
三人とも心地良い脱力感に溢れていた。笑顔でお互いの顔を見合う。
「ママどうだった?」まず田中が、洋子ママに聞いた。
「うーん最高!気持ち良かったし。
「健一は?勃起しなかった?」
「俺も気持ち良かった。勃起?したしたピンピンみたい。」とふざけて私。
「まあ!」
洋子ママが又、目を丸くした。
「じゃあこの際二人とも、もっともっと気持ち良くならない?。。さあママ立ってみて。」
さりげなく田中。
「ええっ。私が立ってどうするの?孝司ったら何するつもりかしら!」
洋子ママが、わざと怪訝そうな振りをしながら、田中に言われるままに、立ち上がった。その言い様が、わざとらしかったので、私と田中は視線を交わしながらニヤっとした。
田中は、洋子ママの後ろに回った。
「何何!ママをどうするつもり?」
※元投稿はこちら >>