電話に出た
「・・ん・・あ」
「結愛?」
なんだか水音が聞こえる
「吉田・・初キス・・どう?」
胸に痛みが走る
結愛・・何してる?
「ん・・すき・・チュッ・・おとうさん、帰るの遅いから・・えっちしよ?今日安全日だから中に出していいよ・・ふふっ」
ぷっ・・ツーツー
頭が真っ白になる
結愛・・結愛・・
車を走らせて家に向かう
とにかく早く・・早く・・早く!!
部屋の明かりは消えていた
不味い、不味い、不味い・・!!
ドアを開けた
電気をつける
静まり返った部屋・・
「はやかったね」
「結愛・・」
「吉田としちゃった・・中出しされたよ?今日危険日なんだ・・妊娠しちゃうかも」
「何をやってるんだ!!この馬鹿野郎!!」
怒鳴った・・大声で
結愛はびくっとなったが俺をにらむ
「隣のあの女と結婚すればよかった・・そう思ったんでしょ?」
「何を・・」
「そしたら離婚なんてしなくてよかった・・幸せな家庭が築けた・・そう思ったんでしょ?」
「結愛、何をいって・・」
「クソみたいな女に金と家も取られて、キチガイみたいな娘とセックスして後悔してるんでしょ!!ねぇ!?ねぇ!?」
結愛はボロボロ泣きながら俺に包丁を向けた
「私なんかイラナイんだ!私なんか生まれなきゃよかったんだ!」
「結愛!やめろ!」
「おとうさん・・うまれてきてごめんなさい・・ごめんなさい・・いらない子でごめんなさい」
包丁を払い除けて結愛を抱き締めた
ブルブル震えている
「結愛・・ごめんな」
「うぅぅぅ・・・」
「結愛、愛してる・・お前は俺の大切な宝物だ・・」
「こわかった・・」
「ん?」
「・・・もう終わりかと」
「結愛・・もういいよ、大丈夫・・な?」
「ごめんなさい・・おとうさん」
抱き締めたまま結愛を落ち着かせた
「吉田くんと・・したのか?」
「してない・・」
「でも電話で・・」
「演技・・」
結愛は目を真っ赤にして泣きじゃくっている
「朝・・仲良さそうに歩いてたから・・怖くなった」
「結愛・・心配しなくていい」
「おとうさんの気持ち・・私から離れてく気がして怖かった」
「結愛・・」
「寂しかった・・」
結愛は俺の胸に顔を埋めた
やっぱり結愛はまだまだ心に深い傷をおったままだ
俺が悪いんだ
仕事ばかりして家庭をよく見ていなかった俺が
「胸がいたいよ・・すごく痛い・・おとうさん」
涙目で俺を見つめる少女は・・すごく儚げで・・消えてしまいそうだった
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