帰ってから居間のソファーで寝転がった
どんなに時間がたっても眠れなかった
時計は午前3時を差している
娘の唇の感触が忘れられない
若くて柔らかい・・
なんともいえない貪りつきたくなるような
いかん・・いかんぞ
娘だぞ・・実の娘だ
俺は何を考えている
顔をぱんぱんと叩いた
寝室に行こう
妻は浮気をしているかもしれない
それが確かか分からない
もう一度幸せな家庭を築きたい
直せるなら直したい
寝室のドアに開けた
妻は寝ている
ベットは二つある
俺のベットは壁側だ
壁の向こうは娘の部屋だ
どうしているかな・・結愛は・・
俺はベットに寝転がり目を閉じた
今日の出来事は夢であった
そうであってくれたら嬉しい
俺は家族を守る
絶対に・・・・
目を開ける
時計に目をやると午後1時を差していた
妻はいなくなっていた
もう起きたようだ
昨日の事は夢だった
そう思おう
寝室の窓を開けた
俺が頑張って働いて建てた一軒家
俺が家族のために建てた
家族を守るんだ・・何度も頭の中で唱えながら寝室を出た
居間は静まり返っていた
テーブルに置き手紙がある
【一泊二日友達と出掛けてきます。由利子】
旅行か・・何も聞いていなかった
浮気か?・・・いや、違う
俺は妻を信じる
浮気なんてしてるはずがない
冷蔵庫を開けた
料理全般はできる
余り物で適当に作るか
ふと後ろに気配を感じた
娘だ・・
「結愛、おはよう」
昨日の事がよみがえる
娘は俺をじっと見た
「お父さん・・昨日の事」
泣きそうな顔をしている
俺は娘抱き締めた
「大丈夫、大丈夫だよ」
娘の頭を撫でながら言った
俺の事をかわいそうと思ってくれたのは嬉しいが
これ以上してはならない
娘は涙目で俺を見つめる
「俺は大丈夫だから・・な?」
「でもお母さんが・・」
「気のせいだよ、お母さんは浮気なんてしないよ」
強く強く抱き締めた
しばらくの間離れられなかった
やはり一度、妻と話し合って仲直りしたほうがいいだろう
冷めきってしまってもどうにか夫婦としてやっていかないとな
「お父さん・・もう少しギュッとしてて」
「おう、わがまま聞いてやるよ」
「えへ・・」
娘の唇に目がいきそうになる
父親だろ・・やめておけ
そう思いながら
しばらく時間がすぎた
※元投稿はこちら >>