街灯がいくつも続く
夜道は危険だ
自慢じゃないが俺は空手黒帯で有段者
娘を襲おうもんなら容赦はしない
それこそボッコボコに・・
「夜道は怖いねー」
娘が笑いながら言った
もしかして俺の考え読まれてたか?
「空手有段者が近くにいると安心するよ」
「お父さんが守るからな・・・有料で」
「一時間一円ね」
だんだんと返しがうまくなってきたな
これも成長か・・
ジト目で俺を見ている
俺もそっとジト目で返す
娘はそっぽを向いてすり寄ってきた
「お父さん、目・・つぶって」
「ん?目つぶっている間に置いてきぼりにするつもりか?」
「いいから・・つぶって」
娘の要求は拒めないな
「目をつぶったままこっちきて」
「ん?」
手を引かれるほうへ歩く
すこし娘の手が震えている気がした
「止まって」
「何する気だ・・一昔流行ったオヤジ狩りでも・・むっ!?」
唇に柔らかい感触
これは・・・
目を開けた
娘と・・キスしてる?
状況がよくわからなくて体が固まる
とても柔らかくいいにおいがする唇
「んっ・・ちゅっ」
娘が舌を入れてきた
俺も答えるように絡ませる
口の中で唾液が混ざり合う
「ちゅっ・・んんっ・・ハッ・・んっ」
むさぼるように・・
娘の髪に触れた
整ったすごく綺麗な顔
俺の・・・娘
我に返って娘を引き剥がす
「な・・なにを・・何を考えてるんだ!」
娘はうつむいた
「お父さんがかわいそうだから・・」
「結愛、今のキスは・・してはいけないキスだ・・分かるな?」
「わかってるよ・・」
娘は俺を見た
まっすぐな瞳で
「分かってるけどしたの・・お父さんが私のファーストキスの相手でもいいって・・」
周りは暗いし人には見られなかっただろうな
娘は私の胸にしがみついてきた
「お母さん、浮気してるよ」
「な・・」
まさか・・・
そんなはず・・
「お父さんが一生懸命働いてるのに・・お母さん遊んでばっかり・・私、お母さんきらい・・大嫌い!」
「結愛!」
ぱしっ!
娘の頬を叩いてしまった
娘は私をにらむ
「もういい!」
娘は走って行ってしまった
妻が浮気をしている・・
それよりも娘とのキスがショックだった
すぐに引き離せかった
舌も絡めてしまった・・
罪悪感で胸がいたい
しばらくその場に立ったまま動けなかった
俺は・・俺はどうしたら・・
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