部屋を見た後、資料を書くために家に戻った
結愛は引っ越し業者に連絡している
俺は資料を書きながらなんだかイライラしている
さっきの胸の痛みは間違いなく嫉妬心・・
「お父さん、2日くらい有給取れない?」
「・・・」
「お父さん?」
「結愛、あの大家さんに色目使っただろ」
「え?なんの事?」
「とぼけるなよ・・お前は誰にも渡さない・・お前は俺の物だ・・お前は」
ぎゅっ
結愛は俺を抱き締めて背中をさする
「うんっ・・私はお父さんの物」
「・・・悪い、イライラしてた」
「今日は辛いのにがんばったね、お父さん偉いよ」
頭を撫でてくれた
どっちが親だよ・・俺、情けないな
「嫉妬したの?」
「少しな・・」
「色目なんて使ってないのに・・あの大家さん私のタイプじゃないし」
「ふーん、結愛のタイプってどんな人?」
「お父さん・・それ以外はタイプじゃない」
結愛は顔を赤らめた
昔から俺は普通に接しているつもりだったが・・
結愛は俺に本気で惚れているらしい
「結愛、キス・・」
「ん?ダメ」
「えー!!なんで?」
「新居に行くまでダメ、この家でもうしたくないよ」
「あー・・まぁ・・な」
この家にもう未練は無い
新居に移るまではイチャつくより準備を優先しなければ
チュッ
「・・・これは今日のごほうびね」
結愛は悪戯っぽく笑う
「有給取れるか聞いてみるよ」
「私も学校休んで手伝うよ・・荷物もまとめなきゃ」
「結愛本当に俺とずっと一緒にいるつもりか?後悔しないな?もうどんな男を連れてきても結婚を許さないぞ?」
「何度でも言ってあげる・・私はお父さん以外いらない」
「結愛・・」
キスしようとしたが逃げられた
「ごめん・・生理中」
「あー・・そういえば」
「キスしたら止まんなくなっちゃうし・・えへ」
結愛、照れながら笑った
これからはこの子のためだけに生きよう
俺は死ぬまでこの子のためにだけ尽くそう
そう決心した
「私、夕飯作るね・・元気出るようにおいしい物作るから・・ねっ♪」
「お、おう!」
こんな書類コンマ一秒で書き上げてやるっ!て気持ちでさらさら書き始めた
もう妻に未練はない
もうどうでもいい
4000万もやればあいつも満足だろう
弁護士に相談だけはしておこう・・後々なにか言われてはやっかいだ
娘と二人で生きていくために・・できる事はやっておこう
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