不動産屋をまわってみたが即日入居かのうな物件は無かった
まぁ、準備や書類の記入も含めて一週間くらいは時間が必要か・・
気に入った物件があったので見学してみる事にした
車で物件のある所に向かう
「お父さん、お金は・・」
「ん?まだまだ貯金はたくさんあるよ」
「そ、そっか・・たくさん盗られちゃったんだよね?やっぱり裁判で・・」
「もういいよ・・くれてやる・・ただし・・」
結愛を見つめる
頭をナデナデしてやる
結愛は不安そうな顔をしている・・・
「お父さん!前!前みてよ!」
「うおっ!」
ブレーキを踏む
また赤信号だった
娘はジト目で俺の太ももをつねる
「お父さんと一緒になら死んでもいいけどまだ早いよ」
「す、すまん・・」
「で?」
「結愛の親権は俺が必ずもらう・・だから心配すんな」
「う・・うんっ!」
結愛はにっこり笑った
かわいい・・
ピーッ!!
後ろの車のクラクションが鳴る
「あ、信号が青だよ」
「俺、注意力散漫すぎる」
「そのうち私が免許とるからさ」
「む、そうか」
「私、バイトするよ・・少しでも足しになるように」
「貯金はまだあるんだし気にすんな・・大学行く金もあるし俺ががんばって働くから結愛は俺を癒してくれ・・・主に下を」
「エロ親父・・」
物件についた
三階建てのアパートだ
気に入った部屋は二階にある
大家さんには部屋を見学すると伝えてある
俺と同い年くらいの大家さんだ
「渡辺といいます」
大家さんは礼儀正しく挨拶してくれた
「村田亮太です、こっちは娘の結愛です」
大家さんは結愛を見た
結愛はにこっと笑い返した
「こんなかわいい娘さんをお持ちで幸せでしょうね」
「いえいえ、わがままで困りますよ・・成長してるのは体だけで中身は・・」
結愛が俺の背中を思いっきりつねっている
結愛の顔は笑っているが・・・
「もう、お父さんったら♪べしっ」
「いっ!」
マジ叩きされた
やっぱ女って怖い
部屋を見てまわる
こじんまりとしたいい部屋だ
ここに決めようかな
家賃もわりと安いし
結愛は風呂場を見ている
なかなか綺麗だ
「あの・・おばけ出ませんよね?」
「えっ?ええ・・そんな苦情は来ませんでしたよ」
大家さんが物件の資料を見直して言った
「ほんと?ほんとに?おばけ出たら私・・」
結愛、大家さんに色目を使うな
「大丈夫ですよ」
大家さんが笑うと結愛も笑った
ズキッ
この胸の痛みは・・
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