大野の武勇伝を聞き流しつつ結愛の作ったケーキを食べる
「おいしい?」
「うん、おいしいな・・星みっつ!」
「あは♪ありがと」
結愛は浴衣の袖をフリフリ振りながら台所に向かった
大野の武勇伝のネタはつきないな
もしかして創作じゃねーのかな
「んで、その女を落とした時に・・ふはは!」
またエロ話か
うちの娘の前で汚らわしい話しすんなよ
結愛が戻ってきた
「結愛ちゃんおかえりー!」
大野が結愛に話しかけた
なんかしたらぶん殴るぞ
「結愛ちゃん何してたの?」
「え、えと・・プリンつくってました」
「そかそかー♪」
大野は酔ってるな
飯田も酔い始めてる
「俺・・ぐすっ・・寂しいんですっ・・ぐすっ」
「うんうん、泣かない泣かない」
金山が飯田を慰めてる
こいつら付き合えばいいのに・・
結愛が俺の隣に座った
一緒に大野もついてきた
「部長、結愛ちゃんが嫁に行ったら寂しいですよね」
「あ?あぁ・・そりゃあ・・」
結愛は少しうつむいた
この話しは避けたい
俺たちは世間一般でいう普通の親子ではない
「大野、お前今の彼女とはどうなんだ?」
「え?あー・・つい最近別れちゃいました」
「お前は全然続かないな」
「仕方ないっすよー♪」
もう11時か
そろそろお開きにするか
「もうそろそろ遅いし代行の車呼ぶか」
三人とももうべろべろだ
電話で代行の車を呼んだ
しばらくしたら来るだろう
結愛がベランダに出て空を見ている
「流れ星でも見えたか?」
「ん?ううん・・」
「どした?暗いな・・」
「お父さんはいつか死んじゃうよね?」
「まぁ・・な」
人間だれであれ最後は死んでしまう
それは避けられない
「私・・怖いよ・・一人になっちゃうの」
「誰だって明日しぬかもしれない・・だから俺は一日一日を大切に生きる事にしてる」
結愛の頭をなでなでしてやる
歳は関係ない
この世は不条理で理不尽で・・いつ終わるか分からない
だから今日一日を大切に生きるんだ
結愛は俺を見て微笑んでる大袈裟に生きればいい
そうするほうが楽しい
「ごちになりゃしゃた!」
「結愛たんまちゃにね!」
「うぇえええん!グスッ」
三人を見送った
「楽しかったね」
「あぁ、また呼ぶか?」
「うんっ」
部屋に戻った
後片付けしなきゃな
「明日も仕事?」
「ん?なんかあったか?」
「ううん、なんでもないよ」
ぎゅっ
結愛を抱き締めた
「今日は一緒に寝よう」
「うんっ・・」
弱い者同士・・寄り添っていよう
※元投稿はこちら >>