車一台がやっと通れるほどの狭い山道を、ハイリフトのサーフは砂利を蹴り上げて駆け上がっていく。
赤土の街道から脇へとはずれた細道は、なんのために使う道路かわからないが、緩い勾配を上へ上へと向けていた。
轍があるのだから何者かは利用しているのだろうが、上に進むにつれて道幅は細くなり、路面の凹凸も激しくなって、普通の車では入れそうにない。
山肌の反対側は切り立った断崖であり、大きく揺れる度に八重が慌てたように小さな悲鳴をあげる。
車体が大きく傾いたところで、足回りの強化されたサーフはものともしない。
そのまま進みつづけ、10キロほども上がった先でわずかに山肌の切れたところを見つけて、京介はそこに車を乗り入れた。
途中からは、フロントガラスにあたるほどの高い枝の生い茂る獣道のような道路を進んできたはずだが、そこだけ不思議と視界が開けて、開かつされた広い場所には背の低い熊笹が群生している。
同じような高さの熊笹は、腰あたりまで成長していて、この中に隠れた者を探し出すのは難しい。
ちょうど手頃な場所と見るや愛車をゆっくりと進ませて、内側の林縁の陰に隠すように停車させると、京介は車を降りた。
辺りを確かめるように散策しながら、足元の土質も乾燥していて比較的硬く、濡れたり泥にまみれたりすることもなさそうだと判断すると、すぐに車に戻って、じっと助手席で座っているだけの八重に声を掛けた。
「母さん、ここなら大丈夫そうだよ」
子供のように無邪気に笑いながらうれしそうに見つめる京介に、八重は呆れたように笑ってしまった。
数年前までは、家にも滅多に寄りつかなかったくせに、関係を持ってからは頻繁に帰ってくるようになり、父親の目を盗んでは八重を抱いた。
それでも足りずに県外にあるアパートにまで遊びに来いと言うようになり、今週も休みを利用して訪れてみれば、いきなり玄関先で裸にされて、したい放題してくれる。
土日は、服を着ることも許されずに、彼の部屋で寝る間もないほど相手をさせられ、月曜になった今日はやっと解放されて朝から夫の元に帰るつもりだったのに、いざその時になったら手放すのを惜しむように、仕事先に電話をかけて、今日は休むことを伝えてしまった。
新しく手に入れた玩具を試したいのを理由に、人出のあるところまで八重を連れてきて、散々辱めてもまだ足りずに、今度はこんな山奥まで連れてこられた。
これまでも似たようなことはされてきたから怖くはないけれど、特に今日は熱心で、八重を虐めることに熱がある。
きっと京介は、どうやって虐めてやろうかと、そんな良からぬことばかり企んでいるのだろうけれど、八重を奴隷のように扱うわりには、「母さん」と呼ぶのだけはやめようとしない。
まだ母親と思ってくれるのはありがたいことだが、時々、「おい」とか「お前」とか呼ばれたほうが、いっそ気が楽になるのではないかと思うこともある。
とりわけ、中に出されたときは、「母さん」と呼ばれると、黒い澱のようなものが胸の奥に沈んでいく。
そんな澱がいったいこれまで何層積み重ねられてきたことか。
母親の苦悩などまったくおかまいなしに、車の中から荷物を取りだしていく京介は実に楽しそうである。
荷物を担いだ京介に「おいで」と呼ばれて、手を引かれながら笹藪の中に連れて行かれた。
丸めた毛布を小脇に抱え、八重を苛めるための玩具を詰め込んだ大きなボストンバッグとビデオカメラの入った銀のケースを両肩に担ぐ京介の姿は、ぱっと見だけなら、さしずめ戦場カメラマンだった。
たいして上手でもないカメラマンは、熊笹の中に分け入り、ちょうど大人二人が横になれそうな手頃な空間を見つけると、そこに毛布を広げた。
端に三脚を据えて、ビデオカメラをセットしていく。
フレームに全景が収まるようにフォーカスを合わせてしまうと、「着替えた?」と楽しげに笑みを見せながら八重に振り返った。
これから実の母親に淫虐の懲罰を与え、その熟した性を貪りぬこうというのに、彼にはまったく罪悪の意識が見られない。
「俺が悔やんだら、母さんだって辛いだろ?だったら楽しんだ方がいいのさ」
それが彼の言いぐさだが、楽しんでいるのは京介ばかりで、八重には辛い仕置きでしかなかった。
しかし、それが彼なりの優しさだということも八重は知っている。
着替えと言ったところで、両手首に手枷を巻き付け、首にチョーカーにも似た細い首輪を嵌めるだけなのだから、たいして手間が掛かるわけでもなかった。
京介の目を楽しませるために選んだ、淫らではしたない下着は、すでに家を出たときから身に着けている。
「いいわよ・・・」
身支度が調ったのを教えてやると、そこから先はカメラマンの役目を終えて、京介は自分を満足させるためのビデオの撮影監督になる。
ビデオカメラは定点に固定されて、同じアングルを映すだけだから、カメラマンは必要ない。
「まずはアナルオナニーから始めようか」
カメラマンとは違い、そこそこ面白い演出をする京介は、次に使う小道具をボストンバッグの中から手探りで探しながら、八重を辱めるための演出を始めていった。
服は着たまま、立ちながらスカートだけを捲り上げて、カメラにお尻を突き出すように、と細かい注文が入れられて、八重は毛布の上に立った。
京介の性癖には独特なものがあり、Tバッグのショーツは全部脱がないで足首に掛けたまま、と言ったあたりは、どうにも八重には理解できないところだが、それに逆らうつもりもなかった。
どうせ逆らったところで、最後には京介の言いなりになってしまう自分がいることを知っていたし、意外と面白くて八重自身も楽しんでいるところがある。
言われた通り、ショーツを足首まで下ろしてから、スカートの裾を捲り上げて腰の所に挟み込んだ。
お尻だけを出していると、吹き抜けていく風が、そこだけいやらしく撫でていくような気がしてならない。
最初は指で拡げるように言われて、八重は腰を屈めてお尻を突き出すと、自分で開きながら立てた中指をアナルにそっと突き入れた。
すっかり慣れていたから、根本まで埋めてしまっても痛みなどはなかった。
痛みどころかすぐに得体の知れない疼きを覚えて、5分も過ぎた頃には夢中になっていた。
恥ずかしさがまったくないわけではなかったが、そんなものなどはるかに凌駕するだけの気持ちよさがある。
「あ・・・あ・・・・」
息子に教えこまれたアナルの快感だった。
京介は、八重とのセックスに慣れてくると、よく顔を跨がせてお尻の穴を舐めたがった。
息子に対してそんな変態的な行為を嬉しがる母親なんていなから、八重ははっきりと口に出して嫌がって逃げていたが、あきらめない京介は、八重が逃げられないように身体を縛るようになってしまい、執拗にアナルを責められるようになってから、排泄器官の意外な魅力に取り憑かれた。
「すごい匂いがする。」
いつもそう言って京介は八重のお尻に顔を埋めながら、辱めるように笑っていた。
あまりの恥ずかしさに何度も泣いたが、アナルバイブで散々責め立てられて、呆れるほど気をやってしまってからは、恥ずかしがりながらも素直に顔を跨いでお尻を差し出すようになった。
京介はとても上手にアナルを責めてくれて、痛いことは絶対にしなかったし、八重が泣いて欲しがるまで舐めつづけてもくれた。
ただの排泄器官が第二の性器に変わってしまうまでに、そんなに時間は掛からなかった。
今では、指どころか京介の舌さえ簡単に呑み込んであげられるし、膣でされるセックスよりもアナルセックスのほうを好む。
変われば、変わるものだと自分でも呆れる。
自宅に帰ってからも、時々は京介を思い出しながら自分で拡げているものだから、すっかり柔らかくなったアナルは、一本だけでは物足りずに、二本目を欲しがっていた。
八重は、両手でお尻の肉を開いてくと、もう片方の中指もアナルに入れて掻き回した。
「あっ!・・あっ!・・・」
「いいよ、母さん。もっといやらしく腰を振って」
八重を淫らにすることに熱心なビデオ監督は、演技指導に余念がない。
すぐ真後ろで見つめていた。
見せつけたくて、言われるままにいやらしく腰をくねらせた。
「すごい・・匂いがここまで届いてくるよ」
どんな匂いかなんて想像もしたくないが、吐息を感じるほどに顔が近づけられている。
指で乱暴に掻き回しながら、八重は軽く何度か逝った。
見上げる空には、透き通るような雲ひとつない青空が広がっていて、耳に聞こえてくるのは、ゆるりとしたそよ風に揺れる熊笹の葉のざわめきばかり。
まるで場違いなこの場所で、夫が想像もできない淫らなことをさせられ、それを欲望にたぎらせた京介が眺めているのだと思うと幸せでならない。
至福の余韻も束の間、ぴしゃり、とお尻を叩かれた。
「勝手に逝っちゃだめだよ。」
勝手に演技を変えた女優は監督に叱られる。
京介には、すぐにわかってしまうものらしい。
「だって・・・」
「だってじゃないよ。勝手に逝ったお仕置きをしなきゃね。」
口調に怖さはないけれど、彼のすることはそんなに優しくない。
はい、と手渡されたコンドームの被せられたバイブレーターは、ほとんど京介と同じくらいの大きさがあった。
京介のペニスは大きい。
たぶん、人並みよりは大きいはず。
「最初からこれ?・・・」
京介は返事もしてくれない。
ずっとニヤニヤしているだけで、早く、と目で訴える。
あきらめて八重は、手渡されたバイブをお尻にあてがった。
膝に手をつきながら腰を屈めて、身体の力を抜いていく。
少しずつ息を吐き出しながら、そっとバイブを握った手に力を込めていった。
ずいぶんと柔らかくしたつもりだったけれど、それでもめりめりとアナルを拡げていく感覚がある、
お尻の穴が伸びきっているのがはっきりとわかる。
慎重に慎重に入れていった。
壊れてしまったら、京介に愛してもらえなくなる。
ようやく頭の部分が通り抜けて、八重はやっと息を吐いた。
一度でも頭が通ってしまえば、あとは比較的楽だった。
ゆっくりと根本まで押し込みながら、こんな大きなものが簡単に入るようになってしまった自分に少しだけ呆れた。
「ああっ・・・」
指とは違い、やっぱりバイブは迫力がある。
自分でスイッチを入れてからは、夢中になっていた。
バイブの底部を握りながら、激しく出し入れを繰り返した。
「いっちゃうっ!京ちゃん!いきたいっ!いっちゃうよぉ!」
身体の芯から拡がる疼きは、脳まで浸食し始めていた。
身体の芯部から拡がっていく妖しい疼きは、膣なのかアナルなのか、どちらに入っているのかさえわからなくさせる。
頃合いと見たのか、京介が足の間に入ってきて、見上げるように顔を上向かせながら性器に口を付けてくる。
すぐに、ぬるりとしたものに襞の奥から舐めあげられて、八重は悲鳴を上げた。
「だめっ!いっちゃうっ!そんなことしたら、いっちゃうっ!」
「逝ったら、もっと虐めるからね。」
舌をうごめかしながら、楽しそうに笑っていた。
バイブを送り出す手は止まらなかった。
止めたくても、主の意志に反して手だけが勝手に動いてしまい、どうすることもできなかった。
次第に頭の中が白くなっていき、何も考えられなくなった。
もうすぐ意識の飛ぶのがわかる。
息がとまり八重の悲鳴がやんだ。
踏ん張った両足がふるふると震え、小刻みに揺れていた。
京介は、堅く伸ばした舌で激しく舐めつづけている。
尖らせた舌先が的確に陰核を捉えて、押しつぶすように何度もなぞられると、それまで我慢していたものが一気に噴き出た。
「ああっっっ!!!」
ひときわ甲高い悲鳴が、新緑に色づき始めた山肌に跳ねた。
ガクガクと膝を震わせ、八重は力尽きたように、その場に崩れ落ちていった。
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