「それから、SWOT分析っていうのがあるんですよ。」久美さんの営業戦略論は、止まらない。「経営は、強みを生かし弱みを克服することが、大事なんです。」
「お母さん、僕は会社で企画をやってるんですけど。是非、弟子入りさせてくれませんか?」と吉川が土下座をせんばかりだ。このシナリオは、私と久美さんの事前打ち合わせには、なかった。当初は、吉川の性的興奮を誘い、それによって、私と久美さんも興奮するというプランのはずだった。
「弟子入り?私に?」久美さんが、ケラケラ笑いだした。「光栄だわ。貴方みたいな、若手のバリバリに。」
「じゃあ握手しましょ。」吉川が、強引に久美さんの手を握った。「僕は、以前からお母さんに憧れてたんですよ!弟子入りとお付き合い宜しくお願いいたします。」吉川が、ここぞとばかりに、正座して頭を下げた。じっと久美さんの目を捉える。
「弟子入りは、いいんですけど。お付き合いは、無理かも。旦那や直樹に怒られますから。。。」久美さんが、微笑みながらやんわり断った。ほっとしたものの、吉川を嫌がってる感じではない。
一旦断られたので、照れ隠しに、久美さんに頻りにビールを進める。吉川自身も、グイグイ焼酎をあけた。かなり出来上がっているみたいだ。和恵さんも、いける口なので、やはり親子で酒が強いようだ。
久美さんはというと。弱いのに、大丈夫だろうか。胸の谷間から、両腕がピンクに染まり、今流行りの美魔女という風情だ。吉川のスケベな視線は、久美さんの乳房と腋の下に集中して絡み付いている。
宴たけなわ、久美さんが、トイレへと席を立った。
「うんうん、これだけ食い込めば、絶対落とせる!」吉川が、私にビールをつぎながら、勝ち誇ったように言った。「俺は、保険のオバチャン達で、鍛えられてるからね。オバチャン達、客に口説かれることが多いんだけど、あそこは濡れてるらしい。それでも、旦那や子供のために踏み止まるんだ。」吉川が、まるで50才か60才の親爺のような嫌らしい言い方をした。
久美さんが元気なさそうに、席に戻った。「ごめんなさい。私飲みすぎて、気分が悪くなって来たの。どこかで休めば、すぐ良くなると思うわ。」
ようやく、打ち合わせ通りのシナリオがスタートだ。吉川が、心配そうに「大丈夫ですか?お母さん。。。おい健一どうする?ご自宅に送るか、あるいは近いのはお前のアパートだな。そこで、休んでもらうかだ。」「じゃあ、内で休んでもらおか?吉川も来てくれる?」と私。「いいの?」と嬉しそうな吉川。
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