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近親相姦 官能小説

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3
投稿者:コウジ
義母の日記より抜粋。

 一ヶ月以上も間が空いて会った、青木の異様なくらいにやせ細った顔と
身体を見て、私はひどく驚きを大きくした。
 駅裏公園で待ち合わせをして、いつもなら自分の車に私を乗せるはずの
青木が、その日には私の車のほうに強引に乗り込んできたのだ。
 夏の終わり頃の薄暮は七時前でも、まだ少し薄明るい。
 男の汗の臭いと、もう青木の身体に染み付いてしまっているのか、酒の
ような臭いが、それほど広くない車に充満して、私は深いな表情を露わに
して、彼の顔を睨みつけた。
 その時に、私は青木の変容に気づいたのだ。
 荒い息を吐きながら前を見据える青木の横顔に、これまでのような精悍
さがまるで見られず、頬から顎のあたりがひどく削げて見えた。
 よく見ると酒焼けと日焼けが入り混じったような、あの赤黒い肌艶が、
薄暮で見るせいだけでなく、痩せ細った顔や首の周りからも失せてしまっ
ているようだった。
 「いつものホテルだ…」
 そう短くいって、また悄然と前に目をやる青木は、明らかに身体のどこ
かに変調をきたしているようだった。
 しかし意に染まない逢瀬を強いられている、私のほうからそのことを、
青木に窺い聞くということはしなかった。
 自分が教師として勤める学校の児童の親である青木からの暴力的な陵辱
を受け、それからは強いられるまま彼のいいなりになり、身体を幾度とな
く汚され続けてきて、やがてもう半年になろうとしている。
 これまでに気持ち的に青木に迎合するということは、一度としてなかっ
た。
 どんなことがあっても体感的にも、好きになることができない男の一人
だと、私は確信的に今も思っている。
 ただ、恥ずかしくて情けないことだが、間もなく六十を迎えようとする
この年齢で、青木の手と身体に抱かれてしまうと、私は女としてはしたな
く淫れてしまう。
 私にしたらまるで毒蛇のような男であるはずなのに、青木の腕の中に抱
かれ、淫靡な手で身体のあらゆる箇所を愛撫され、そして果てしなく長い
時間のつらぬきを受けると、無残にも私はいつも崩落の憂き目に合ってし
まうのだ。
 曲がりなりにも子供を教え導く教職者としての誇りは、一溜まりもなく
消失してしまい、私は遠い昔にあった娼婦のように乱れ狂わされるのだっ
た。
 自分のどこにそういう淫靡な資質が潜んでいるのかは、私自身にもわか
らなかった。
 教師になり立ての頃、赴任した田舎の学校の宿舎で、見知らぬ男に襲わ
れ、犯されてしまったことが、もしかしたら私という女の身体の中のどこ
かに、潜在的に潜み隠れているのかも知れない。
 青木の身体の変容はかすかに気にはなったが、お互いに語り合うことも
なく、車は郊外の慣れることのないホテルの入口を潜った。
 青木は車から降りても、いつもとは違う何か弱々しげな歩幅でホテル
の人のいない薄暗いロビーまでゆっくりと歩き、その後を私は顔に手を当
てるようにして追随した。
 いつも青木が好んで使う室が空いてなく、違う室に入った。
 入口を入るとすぐに縦長の大きなベッドが目に入り、談笑用の小さな丸
いテーブルと椅子二つがあった。
 天井の四隅から気色の悪い赤々とした照明が放たれ、ベッドの頭の方向
と縦長部分がやはり鏡張りになっていて、反対側の浴室もガラス張りにな
っていた。
 青木がベッドに全身をどっかりと投げ出すように倒れ込んだ。
 私が所在なさげに小さな椅子に腰を下ろすと、ベッドのほうから、
 「今日は時間がないんだよ、先生。こっちへ来いよ」
 と青木が頭だけ起こしてそういって、弱々しげに手招きをしていた。
 私はいわれるままテーブルにバッグを置き、青木のいるベッドににじり
寄った。
 すぐに青木の手が首に巻きついてきて、私は引き込まれるように彼の胸
の上に抱かれた。
 青木の好きにはなれない汗の臭いが、私の鼻腔をついた。
 「ううっ…むむ」
 いきなり青木に唇を塞がれる。
 酒臭い息が粘い舌と一緒に、私の口の中に入ってきた。
 ブラウスの上から青木の手が私の乳房をまさぐってくる。
 唇を吸われ乳房を揉まれての時間がしばらく続く。
 すると、好きではないはずの青木の体臭と息の臭いが、私の体内を伝っ
て頭の神経を妖しく刺激してくる。
 唇が離れた時、青木は肩まで揺らすほどの大きな息を二、三度ほどして、
少し苦しげに顔を歪めているのが見えた。
 「先生、服脱げや。…ついでに俺のズボンも脱がしてくれ」
 天井のほうに顔を向けたまま、青木が覇気のない声でいってきた。
 逆らうことなく私はベッドから離れ、丸いテーブルの近くで上着から順
に脱ぎ出す。
 いつものことだが、この悪夢のような時間が早く過ぎることだけを願い
ながら、私は顔を俯けさせて、スーツ、ブラウス、スカートまでを脱ぎ、
パンティストッキングに手をかけた。
 ベッドの上で身体を横向きにして、私のほうに目を向けていた。
 いつもなら卑猥げにほくそ笑んだりして、ぎらついた視線を投げつけて
くるのだが、今日はいつもと違っていた。
 ブラジャーとショーツだけになり、ほんの少しだけの躊躇の後、私はブ
ラジャーのホックを外し、流れのままにショーツも足首から抜いた。
 青木の顔がかすかに満足げな表情になっていた。
 全裸になった私はベッドの上に乗り、這うようにして青木に近づいた。
 青木は上半身のTシャツだけ自分で脱いで、ベッドに仰向けになっている。
 私は青木のカーキ色の作業ズボンのベルトに手をかけ、ホックを外す。
 そしてズボンだけを下に下ろすと、派手な色のトランクスが見えた。
 「早く頼むぜ、先生よ」
 という青木の声に急かされて、トランクスを脱がすと、鬱蒼とした漆黒の
茂みの中央から、グロテスクな色をした半勃起状態のものがだらりと垂れ下
がっていた。
 どう足掻いてもこのままこの場から逃げることは出来はしないのだ。
 青木につらぬかれ、女として恥ずかしく悶えさせられ、体内深くに迸りの
放出を受けるまでは、ただ堪えるしかないのだと私は気持ちの中で、自らに
いい聞かせ、その茂みから覗き出ているグロテスクなものに手を添えた。
 上体を屈め、顔を青木の股間の漆黒に近づけた。
 いいようのない異臭が鼻をつく。
 その異臭に堪えて青木のものの先端に、私はそっと唇をつける。
 口の中に含み入れてすぐに、やおら青木のものがびくんと小さく躍動し、
見る間に硬度を高めてきた。
 「うおっ…」
 という驚いたような声が青木の口から洩れた。
 瞬く間に硬度を増した青木のものを、唇を窄めるようにして咥え入れな
がら、彼に以前に幾度か教えられたように、私は頭を上下させた。
 頭と肩を布団から上げてきた青木の顔に、驚きの表情が露わになってい
るのが見えた。
 「よしっ…」
 とまた青木が独り言のような声を出したかと思うと、いきなり私の肩を
掴み取ってきて布団に押し倒してきた。
 仰向けにされた私の両太腿の裏を、慌てた動きで手で持ち上げてきた。
 身体を海老折りにされ上に向けて剥き出しになった私の股間の頂点に、
青木の唇が被さるように触れてきた。
 私は声を上げるしかなかった。
 いつもにない荒々しさで青木の舌は、私の身体の中心を這った。
 拡げた両手で布団をわし掴み、顔を左右に振りたて、私は女になりた
だ喘ぐだけだった。
 やがて青木が上体を起こして間髪を入れずに、私の下腹部に固くいき
り立ったものを突き立ててきた。
 忘れかけていた強い圧迫が、私の下腹部を襲ってきた。
 「ああっ…」
 一際高い声を上げて、私は青木のものから受ける圧迫に堪えようとし
たが、一気に押し寄せてきた快感の前にそれは徒労でしかなかった。
 青木の咆哮のような声が長く聞こえていた。
 腰の律動を続けながら青木の上体が折られ、顔が私の顔に近づいてき
たのがおぼろげにわかった。
 布団を強くわし掴んでいた私の両手が、青木の首にまるで待っていた
かのようにすぐにしがみついていた。
 「ああっ…お、お願いっ…キ、キスしてっ」
 そう叫ぶようにいって、私は青木の唇を求めていた。
 長く唇を重ね合ったまま、青木は私への突き立てを止めることはなか
った。
 もうどうなってもいい、と私は思っていた。
 今日の夕刻に唐突に、会いたいから来い、という携帯を受けた時から
ずっと抱いていた青木への嫌悪感が、瞬く間の早さで雲散霧消してしま
っていた。
 下腹部への青木の抜き差しは長く続き、それに平行するかのように、
このまま死んでしまいたいような快感を伴った圧迫も長く続いた。
 薄目をどうにか開けて見た青木の形相にも、何か得体の知れない逼迫
感に必死で堪えているような表情が出ていた。
 固くいきり立ったままの青木のものは、まるで断末魔のあがきの
ように躍動し、私の体内の深い部分にまで達していた。
 「せ、先生よぉっ…」
 「あっ…あ、あなた…きてっ…もうきてっ」
 「お、おうっ…い、逝くぜっ、先生っ…」
 青木の本当に断末魔のような高い咆哮の声が上がり、私も薄れゆ
く意識の中である限りの声を絞って、熱い官能の頂点に達した声を
上げて応え、そのまま気を失っていた。
 どれくらいの時間が経ったのかわからなかった。
 全身に何かが覆い被さっている圧迫感で、私は意識を戻した。
 圧迫の正体は青木だった。
 青木が私の身体に覆い被さるようにして、珍しく眠りこけたよう
に意識を喪失していた。
 私の顔の真横に顔を埋めたまま、青木はまるで死人のようにピク
リとも動かなかった。
 どうにか青木の身体からすり抜けるようにして、私は上体を起こ
し布団の上に座った。
 下腹部から何かが外に洩れ出るのがわかった。
 青木が私の体内に迸らせた白濁液だった。
 ベッドの棚からティッシュペーパーを取り出し、下腹部を拭くの
だが、その白濁液は驚くほど大量に洩れ出ていた。
 私がバスルームに入って、シャワーで身体を洗って出てきてもま
だ青木はベッドに突っ伏していた。
 その青木が急に腹部のあたりを押さえて、
 「ううっ…」
 と顔を歪めながら、呻き声を上げて意識を覚ましたのはそれから
間もなくのことだった。
 腹部のあたりの痛みに堪えるような青木の仕草だったので、
 「…どうかしたの?」
 と私は少し不安げに尋ねた。
 ベッドの上で背中を捻じ曲げるようにして、青木は顔をひどく歪
ませていた。
 これまでに一度としてなかった光景に、私も少し狼狽し、もがき
苦しむ青木ににじり寄った。
 青木の腹部のあたりの苦痛は数分ほど続いたが、いる場所が場所
なだけにどうすればいいのかが私にはわからなかった。
 そうして途方に暮れかけた時、青木の苦悶の症状がピタリと止ま
った。
 それからまた数分後、私が冷蔵庫から取り出し渡した缶入りのお
茶を飲んで、どうにか落ち着いた青木の口から、
 「心配かけたな。…俺ァ、実は今入院しててよ。ふふ、酒の飲み
過ぎで胃潰瘍だってよ。仕事の現場で血を吐いて倒れちまって、病
院に担ぎ込まれて、もう二十日くらいになるんだよ」
 と思わぬ言葉が出て、
 「病院の先生に、こんなに痩せ細ったりして、ひょっとしたら癌
じゃねぇのか?って聞くんだけど、悪性の胃潰瘍だからってばかりい
いやがる。…で、病院でいつも先生、あんたのことをよ、思い出し
てたらもう無性に会いたくなってなぁ。それでこうして病院抜け出
してきたんだよ」
 といかつい顔には不似合いなくらいのしおらしい声で、話してき
たのだ。
 私は言葉を返すことなくただ聞くだけだった。
 「あっ、そうだ…先生に返すものあるんだ」
 と青木が急に何かを思い出したようにいって、側にあった作業ズ
ボンの後ろポケットから、何か封筒のようなものを出して、私の前
に差し出してきた。
 封のされていない封筒を開けると、十数枚ほどの衝撃的な写真が
入っていた。
 ずっと以前に青木に呼ばれて抱かれた時に撮られた、私の全裸の
恥ずかしい写真ばかりだった。
 思わず私が青木に怒りを込めた視線を向けると、
 「先生、これであんたをどうにかしようなんて、俺ァ、思っちゃ
いないよ。あんたに返そうと思って持ってきたんだよ。…あ、その
ネガなら俺がちゃんと燃やしてもうないから、安心していいよ」
 と彼は少し申し訳ないというような表情でいってきた。
 ホテルを出て駅裏公園の駐車場まで、青木を送り届けた時、彼が
車の降り際に、
 「先生よ…今日、あんたに会えてよかったよ。いや、あんたを抱
けてよかったが本当かな?…世話になったな」
 とまた彼には不似合いな穏やかな声で私にいってきた。
 その言葉に私は言葉を返さず、目だけでかすかに別れの意を伝え
たのだが、以前とはまるで違う背中の細さを見て、もしかしたら青
木とはこれが最後になるかも知れないと、何気にふとそう思った。

 義母の日記のそこを読み終えて、僕はその次を読もうという気持
ちには何故かなりませんでした。
 以前に義母の口から聞いたのは、青木はそれから二週間ほどで、
胃癌によりこの世を去ったということでした。
 義母の日記を読み終える寸前くらいに、僕の携帯がメール着信を
告げていました。
 喉の渇きを覚えたまま、椅子に座り携帯の画面を開くと、義母か
らのメールでした。
 (もう、お家にいるの?…あのね、観光予定になっていたところが
何か事故があったみたいでスルーすることになり、帰宅が早まりそ
うなの。遅くても四時には集会所に着くとのことです。早く会えて
嬉しい亜紀子より)
 という内容でした。
 つい今しがた読み終えた義母の日記に、完全に触発されていた僕
は、義母のメールを読んですぐに心を決めました。
 由美の帰宅は九時頃です。
 昨日、というか、昨夜の午前三時頃に抱いたばかりの、義母の身
体に、愚か者の僕はもう欲情していました…。


    続く
  
 
 

※元投稿はこちら >>
15/10/07 01:16 (DFIAw2WT)
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