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近親相姦 官能小説

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20
投稿者:コウジ
その夜由美が帰宅したのは、十時半くらいのようでした。
 その頃には僕は、三十八度三分の高熱をおして義母との情交の後だ
ったこともあり、さすがに重い疲労感にうちひしがれて爆酔状態に陥
っていました。
 帰宅した由美がベッドに入ってきたことも知らないまま、朝を迎え
たのでした。
 朝の起きがけに由美は、
 「具合はどう?」
 と心配げな表情で、額に手を当てて、
 「まだ少し熱あるみたいね。お母さんに頼んでおいたから、ちゃん
と病院行ってね。お仕事は休むこと。私から職場に電話入れておいて
あげる」
 といい残して、自分は忙しなげに学校へそそくさと出かけていきま
した。
 僕は九時過ぎにベッドから起き上がり、室を出て階段を降りようと
すると、まるで階下で耳を澄ませていたかのように、ダイニングのド
アが開き、義母が顔を出してきて、階段の上を見上げてきていました。
 義母の今朝の服装は、清楚な感じの焦げ茶色のニットのアンサンブ
ル姿でした。
 「おはよう…まだ熱あるんですって?」
 心配げな顔で声をかけてきた義母に、
 「大丈夫だよ。薬のせいか…いや、亜紀子の昨夜のご奉仕のお蔭か、
一晩寝たら大分楽になってきた」
 と僕はまだ起きがけの顔に笑みを見せて、階段を降りました。
 「由美が学校へ着いたら、あなたの職場に、風邪で今日はお休みし
ますって電話するっていってたけど…あの子、忘れてないかしら?」
 「大丈夫さ。それよりお腹空いた」
 階段を降りたところで待ち受けていた義母の両肩に手を置いて、徐
に抱き寄せてそういうと、彼女は白い頬をポッと朱色に染め、驚いた
ような顔で僕を見上げてきていました。
 「温かいスープ作っておいたから、お食事済んだらお薬飲んで、そ
れから病院よ」
 僕の腕の中に抱かれたまま、義母は照れ隠しのように早口で喋って
きました。
 それでも僕の胸を軽く突いて引き離そうとしてきましたが、僕が両
腕にさらに力を込め強く抱き締めてやると、彼女がまた驚きの顔で見
上げてきたのに乗じて、僕はいきなり唇を重ねにいきました。
 「ううっ…むむっ」
 義母の眼鏡の奥の目が、大きく見開いているのが見えました。
 重ねた口の中で義母の小さな舌を捉え、自分の舌を強引に絡ませてや
り、そのまま腕の力を弛めないでいました。
 そして僕は彼女の唇から唇を離し、
 「朝から何なんだろうね、僕って」
 と少し自嘲的に笑いながら頭を掻きました。
 「ほんと、まだ風邪も治っていないのに…さ、早くお食事済ませて」
 そういって義母は踵を返して、細い指で髪の毛を直す仕草を見せなが
ら、自分から先にダイニングに入っていきました。
 温かいコーンスープといつもの野菜サラダと卵焼きに、トーストとコ
ーヒーの朝食を済ませると、僕の前に座っていた義母が、
 「ほら、お口の周りもちゃんと拭いて…口紅がまだ…」
 と顔を少し赤らめながら、ティッシュペーパーの箱を僕の前に差し出
してきました。
 義母が用意してくれた体温計で熱を計ると、三十七度四分でした。
 それから義母の運転で十分ほど走ったところにある、内科の個人病院
まで行き、長く待たされて受けた診断は、幸いにもインフルエンザでは
なく、疲労か寝冷えによるただの風邪ということでした。
 病院の駐車場の車の中で待っていた義母に報告すると、
 「よかったわねインフルエンザじゃなくて…」
 と安堵したような声で僕にいってきて、不意に何かに気づいたように、
 「今日はお家に帰っても、自分のお室でおとなしく休んでなさいね。…
昨日みたいなことは、もうだめよ」
 と僕に釘を刺すように、強い口調でいってきたのです。
 「少しぐらいは…」
 「だめっ…由美が今朝ね、聞いてきたの」
 「何て…?」 
 「ううん、大した聞き方じゃないんだけど…お母さん、最近、土日に私
がいないから一緒に買い物にも行けないし、ストレス溜まってない?って聞
いてきたの」
 「ふぅん…」
 「その後でね、浩二さんとも仲良くしてる?って」
 「仲はいいよね」
 「茶化さないで聞いて。…何度もいってきたけど、私たちは大きな罪を犯
しているのよ。それを隠そうとどれだけ注意していても、同じ屋根の下でず
っと一緒に住んでたら…由美も女ですからね。…いつか怖ろしい日がきっと
くるわ」
 ハンドルを握る義母の顔が、心なしか青冷めているように見えました。
 「だから、そうならないように、これからも最善を尽くすしかないんじゃ
ないの?」
 と僕が少し投げ槍的な口調で言葉を返すと、義母の青冷めた顔に哀しみの
表情が浮かんできていました。
 それっきり二人の会話は続くことなく、車は家に到着しました。
 「二階で休んでくる…」
 玄関を上がってすぐに僕はそういって、義母と目を合わすことなく、早足
で階段を駆け上がりました。
 「もう少しでお昼よ…」
 背中の下のほうから義母の小さな声が聞こえてきましたが、
 「お腹空いてないからいいよ」
 と僕は振り返ることなくいって、そそくさと室に入りました。
 ベッドに仰向けに寝転んで僕は、茫漠とした沈思黙考に耽りました。
 義母との特殊な関係については、いわれるまでもなく僕自身の心の中にい
つもあることでした。
 大袈裟にいえば、社会通念上断じて許される関係ではないということは、
三十三歳の僕にもわかり過ぎるくらいにわかっていました。
 わかっていて、あの山小屋での衝撃的な出来事以来、ズルズルと悪しき惰
性に流されるかのように、関係を続けてしまっている。
 義母は元聖職者の履歴通り、賢くて聡明な大人の女性でした。
 僕が…僕のほうさえ気持ちをしっかりと持ち、理性心を忘れずにいたら、
もしかしたらこの難局難題は、多少の波風が立ったとしても、それなりに解
決し、過去のふとした過ちで済んでしまうかも知れない…そうなるのが、お
そらく唯一最良の解決策なのだろうという思いは、嘘ではなく僕の心の中に
いつもありました。
 しかしその決断ができずにいるのが、今の僕でした。
 僕の脆弱な理性は、人の道から大きく逸脱した、男の動物的な本能だけの
欲情に、愚かにもいつも屈してしまっているのでした。
 思い起こせば二年ほど前の由美との出会いから成り行き的に生じた、義母
の亜紀子との最初の対面の時に、かすかに僕の背中に瞬間的に妖しく流れた
電流が、あの山小屋での出来事までの期間、僕の心の奥底深くにずっと逐電
状態にあって、それが図らずものかたちで暴発してしまい、制御と抑制の利
かないまま、今日に至っているというのが実状なのでした。
 僕さえ…僕さえが義母を女として見ず、不埒な思慕も抱かず、普通に厭味
なく、どこかに余所余所しさのある義理の母と義理の息子の関係に戻る気持
ちを持てば、まだどうにかそれなりに何かの道筋も見えてくるのでは、と心
のどこかではわかっていました。
 そのことがわかっていてどうにもできないでいるのが、間違いなく今の自
分で、脆弱な意思のまま淫ら極まりない情欲の渦の中に浸りきってしまって
いるのです。
 そんな愚かな僕は、車の中での義母の良識のある言葉に、また身勝手にも
気分をそこね、今こうしてふてくされてしまっているのでした。
 あまりにも不甲斐ない自分に嫌気がさし、このままふて寝でもと思ってい
た時、ブルゾンのポケットから携帯のメール音が聞こえてきました。
 画面を見ると階下にいる義母からでした。
 (怒ってるの?)
それだけの短い文面でした。
 それからしばらく、同じ屋根の下にいながらの二人のメールのやり取りが
続きました。
 (別に…)
(それが怒っている。ご飯の用意できたけど…お薬も飲まないといけないか
ら食べないと…降りてきたら?)
(食欲ないから)
(子供みたい…ちゃんとベッドに寝てるの?)
(考え事してた)
(何を考えてたの?)
(亜紀子とのこと)
(私が車の中できつくいったから?)
(亜紀子とのことは、僕も毎日真剣に考えている)
(それなら安心です)
(考えているが亜紀子を見ると、駄目になる)
(同じよ…私も)
(自分が弱いからどうにもならない)
(それも同じよ…あなたに偉そうにいえる資格は私にもないわ)
(考えてその通りできたらいいんだけど、僕は馬鹿だから…)
(あなたが馬鹿だったら、私も愚かな女…)
(何だか切ない)
(降りてらっしゃい。ご飯食べてお薬飲んだら、一緒に考えましょ)
(ほんとは腹減ってた)
(あなたの好きな天ぷら揚げたから、おうどんで食べたら?)
(降りていく)
少しバツの悪そうな顔をしてダイニングに入っていくと、僕の席に湯気の
立つうどんの入った丼と、野菜の煮物が入った小鉢と、丸く小さな皿に漬物
が盛られて並び置かれていました。
 調理台にいたエプロン姿の義母が振り返り、揚げたての天ぷらを盛った皿
を手にしていました。
 「身体、大丈夫?…早く座って」
 そういって僕の丼に菜箸で幾つかの揚げ物を置いてきました。
 天ぷらうどんの温かさが義母の心の温みのような気がして、僕は少し胸が
詰まりそうになっていました。
 食後、病院からもらってきた風邪薬を飲んで、僕がダイニングを出ようと
すると、
 「二階に上がるの?」
 と流し台の前に立っていた義母から声がかかりました。
 「えっ…?」
 と僕は思わず立ち止まって振り返ると、
 「一人じゃ切ないんでしょ?」
 と義母が背中を向けたままいってきました。
 「だって…」
 「私の室、暖房入れて…お布団敷いてあるから、早くパジャマに着替え
てらっしゃい」
 つい今しがたまで二階で、義母との関係でそれなりに真剣に悩み、一人
で煩悶を繰り返していたはずの僕でしたが、義母の思いも寄らない優しい
言葉に、僕はもう半ば以上に喜色満面の表情になり、急いで室を出ると階
段を馬鹿みたいに二段上がりで駆け上がっていました。
 パジャマに急いで着替え、またダイニングに戻ると、義母はまだ洗い物
の途中のようで、
 「まだ洗濯物取り込まないとだめだから、先にいって休んでて」
 義母なりにも、僕の我儘を容認することに、少なからず後ろめたさのよ
うなものを感じるのか、あるいはもしかしたら、また同じ室で夕方までの
数時間を一緒に過ごすことへの気恥ずかしさもあるのか、ほとんど僕とは
目を合わそうとはしませんでした。
 馬鹿でどうしようもない僕は、もう単純に嬉しい気分一杯になっていて、
風邪を引いている人間とは思えないくらいの軽やかさで、義母の寝室に向
かったのでした…。


     続く

(筆者付記)
 長くお待たせしてすみませんでした。
 間を置いての今回は、所謂濡れ場的な場面もなく淡々と義母との日常の交流を
描いただけで、あるいは皆様のご期待を裏切ったかもわかりませんが、三十三歳
の浩二と六十三歳の義母との間に、情欲だけでなく男女としての思慕が芽吹きだ
してきていることを、多少でもご理解いただきたいと、拙文ながら書いた次第で
す。
 この後、義母と浩二は午後の数時間、また濃密で卑猥な行為に浸ります。
 どうかもう少しこの場をお借りしての拙文描写をご容赦ください。
 レス16の方のご要望(先生と生徒という主従関係での交わり?)にも、つたない妄
想力を駆使して、ご期待に添えられたらと考えています。
 貴重なご意見ありがとうございます。
             筆者  浩二


※元投稿はこちら >>
15/09/03 01:18 (ANCJwa6o)
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