トイレに逃げてきた悟は、自分の気持ちの整理がつかなくなり、しばらくトイレから出られなくなってしまった。母の恥ずかしい部分が見られることへの屈辱と、佐藤への嫉妬、またそれに反して股関を熱くしてしまった嫌悪感、様々な感情が頭の中で錯綜していた。香澄のことを女として見ているものの、他人に晒されるのは抵抗があった。そんな状態だからトイレから出ることができなかった。
しばらくすると、友人が声をかけてきた。
「どうした?調子悪いのか?大丈夫か?」
「大丈夫だよ。悪いな、見れなくて。」
悟はそういうと、覚悟を決めて出てきた。そして、
「なあ、これ貸してくれないか?家でゆっくりみたいんだ。」
そういって悟は自宅に持ち帰ることにした。
自宅に帰ると、香澄がいた。
「あら、お帰り。今日の夜ね、大学の仕事仲間が来るから一緒にご飯食べる?」
えっ?そうなの?いいや、外で食べるよ。」
「あらそう。ごめんね、じゃあこれでおいしいものでも食べて来て。」
そういって香澄は悟にお金を渡した。悟が出かける準備をして靴を履こうとしたその時、玄関のチャイムがなった。悟が扉を開けると、5人の男女がいた。悟は挨拶しながら外へ行こうとした時、そのなかにビデオの佐藤がいるのに気づいた。その瞬間、何か嫌な予感がしたが、他にも同僚がいたので、大丈夫だよな、と思いながら家を後にした。
しばらく外で時間を潰して家に戻ると、すでに静かになっていた。悟はほっとして玄関を開けると、男性の靴が一人分残っていた。まさか佐藤?悟は気配を消して居間に近寄ると、中から何か聞こえてきた。
「もう駄目よ。息子が帰って来るから。ねえ、んっ、駄目だったら、もう・・・・はうっ・・・そこ駄目・・・もう、あっ・・・・」
「すぐ終わらせるから、ね?お願い。」
悟は怒りと嫉妬で狂いそうになり、その場に飛び込んだ。
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