燈子の声は、甘くまどろみを帯びて発せられた。じゃれつく子猫のような雰囲気で、弟の警戒心を少しでも和らげようと。
しかし、そんな気遣いは無駄に終わる。
いつもと様子の違う想太は、切れ長の瞳にただならぬ光を宿らせて、ただ力無く笑っていた。
「想太…?どうしたの?」
燈子の声に、僅かな緊張感が混じる。
「ごめん燈子…俺…」
真っ白な頭に言葉は浮かばず、ただ真っ直ぐに自分を見つめる姉の目だけを知覚する。
想太には、あともう少しで、欲望に飲み込まれる予感がある。だって、そんなに麗しい目で、汚らわしい獣を見つめるなんて。すべてを見透かしているくせに、まるで怯える様子もなく。それとも、まさか、望んでいるとでも?
想太の理性は混乱の渦に消えた。
起こしていた燈子の半身が、けたたましく倒れる。その衝撃に見開いた大きな瞳は、暗がりの中の愛くるしい表情を、真っ直ぐに捕らえている。
燈子のちっぽけな期待などは、吹き飛んでしまっていた。あれほど焦がれていた願いに奇跡が生じようというのに、感動している余裕すらない。
想太は、ずっとおあずけを喰らっていた犬の如く、目前の獲物にかぶりついた。耳も、首筋も、顎も、唇も。抑えきれない衝動に駆られるままに、服を乱れさせ、愛撫する。
燈子の、抑えきれずに漏れる、喘ぐような吐息にゾクゾクする。込み上げる愛しさだけで、絶頂へと達してしまいそうだ。
Tシャツの上から触れると、胸の柔らかな感触が直に手のひらに伝わる。
「アンッアッアァン…」大きな手のひらに乳首が転がされ、燈子は悶えた。そしてそのまま、より一層固く勃起した燈子の乳頭が露わにされる。
想太の柔らかな茶色い髪が、口元をくすぐるのと共に、燈子の乳首に激しい快感が走る。想太のピンク色の舌が、同色の突起物を流動的になぞり、転がし、包み、ついばむ。
階下の両親に気付かれないよう、必死になって声を押し殺し、息をする燈子を、想太は更に苛めたいと思った。そんな思いが、彼の快楽神経を刺激して止まない。
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