俺の肩に爪が食い込む位に握り締め、折れんばかりに反りあがっている。これまでに何度も絶頂に達しているが、今までで一番らしく失神してしまった様だ。
(アンコール…いや、今度は俺のライブの始まりかな…)
崩れ落ちてくる妹の入り口に俺のマイクの先端が触れた瞬間、身体を支えていた腕をゆるめ一気に腰を突き上げた。
「!!!…………い…痛い……痛いよう……う…うう…」
妹を守るべき壁は余りにも薄く、狭い通路も妹の潤滑液によって摩擦力が極限まで少なくなっていた異物の侵入をその奥地まで容易く許してしまった。俺のシャツの襟首をギュウッと握り締め、痛みに震えている妹の瞳には大粒の涙が浮かんでいる。
「……うぅ…し…よう……どうしよう……挿入っちゃ……挿入っちゃたよぉ……」
受け入れ難い現実を容赦なく認めさせようとする下腹部にはしる鈍い痛みと異物感。
妹と俺は今、ひとつに繋がっている。大粒の涙溢れる瞳に映るふたりの俺が歪み、卑しい微笑みを浮かべている。
『ちゃんと掴まっていろと言っただろう。なんで我慢出来なかったんだ』
「…ぅう……だって…だって……」
(う…か…可愛い…)
俺はこの困ったような泣き顔の妹が好きだった。ガキの頃から時々妹をからかって泣かせては姉貴に怒られていたっけ…。
『ちゃんと掴まってないから、妹とHした悪いお兄ちゃんになっちゃたじゃないか』
「ご…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ……」
完全に自分の所為でこうなってしまったと思いこんでいるようだ。ならもう少しだけ…。
『お兄ちゃんとHしちゃうような悪い妹はこのまま家に帰ってみんなに見て貰おうか?』
一歩、また一歩とゆっくりと足を進める度、妹の身体に衝撃が疾る。実際は数ミリも動いていないのだが、初めての妹には身体を二つに引き裂かれる程に感じているだろう。
「…ぅく…ぅああぁ…ひぃ…お兄ちゃん、う…動かない…で、お……お願……ぁあぐ…」
妹の顔が苦痛に歪み、大粒の涙が止めどなく流れ落ちてゆく。
ズキッ!!
クッ…くそっ、胸が苦しい…。畜生!違う、違うんだ!俺が見たいのは、好きなのは妹のこんな顔じゃない!
まだ家にはかなりあるが、ゆっくりと足を止め、妹の身体を抱きしめた。
『………ご…ゴメン……』
この…たったこれだけの言葉しか出せなかった。自分の愚行を心から詫びたいのに声がその形を成してはくれない。いつのまにか俺の両目からも涙が流れていた。
『…ゴメン…すぐ…すぐ抜くから…痛くないようにゆっくり抜くから、ちょっとだけ力を抜いてくれ…』
少し腰の位置を下げ、ゆっくりと妹の身体を持ち上げようとした時、妹が信じられない行動をとった。俺の身体に自分の足を絡ませ、ギュウッと力強く抱きしめてきたのだ。
「……ち…違うの…そうじゃないの………」
俺には妹の言動の意味をにわかに理解できないでいた。妹の処女を騙し討ちのように奪ったのはこの俺だ。なのに妹は抜こうとする俺を阻むような真似をした?憎まれて当然なのに…。
「…あ…あのね…わ…私…私は……ンンッ」
思考の迷路から抜け出せないでいる俺に、何かを伝えようとして出来ない妹が、そのもどかしさから突然キスをしてきた。言葉の変わりに自ら舌を絡ませ想いを伝えてくる…。
どれくらい【恋人のキス】を交わしていたのだろう。互いの唇が離れた時、泣き顔ではなく頬を紅潮させ、潤んだ瞳で俺を見詰める妹の姿があった。
「違うの、イヤじゃないの。私…お兄ちゃんとひとつになれた事が嬉しいの。ううん、私がこうなる事を望んでいたの。でも、私がこんな事を考えているなんて知られたら…もし、お兄ちゃんに嫌われたら…と思ったら…怖くて、とても怖くて…」
何て事だ…妹がそんな事を胸に秘めたいたなんて考えもおよばなかった。夜毎に一人で行為にふけっていた時も俺の事を考えていたらしい。だったらこんな事…いや、知っていたら尚の事、出来るはずもない。
「…だから…だから、ね…大丈夫だから…私なら平気だから……いい…よ…」
実の妹に邪な気持ちを持っていた事すら恥ずべき事なのに、そんな俺に……。胸の奥に妹に対する懺悔と、そしてそれを覆い尽くす愛おしさが溢れ出す。
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