僕はゆうの部屋のドアをノックする。
「ゆう、入っていい?」
「あ、うん」
部屋に入るとゆうはベッドにちょこんと座ってテレビを見ていた。
「な、なに?」
「あのさ。良かったら・・その・・また一緒に寝てもいいよ」
「えっ・・・」
ゆうの顔が赤くなるのが見えた。
「うーん、寂しくなったら・・・たっくんのベッド行こうかなぁ・・」
「そ、そっか・・じゃあねおやすみ」
「うん、おやすみ」
パタンとドアを閉める。
自分の部屋に戻りベッドに倒れこむ。
「はぁー・・なんで・・なんでもっと強引にできないんだよ・・・」
自分が嫌になった。
でも強引にするのは怖いよ・・壊れてしまいそうで。それからしばらくはゆうはベッドに来る事は無かった土曜日の朝、いつもどうりに朝食を作り父さんを送り出す。
少し遅れてゆうが起きてきた。
「おふぁょー」
「おはよ、ゆう」
またパジャマの胸元がはだけていた。
「ゆう、パジャマが・・」
僕はゆうのパジャマをなおしてあげた。
ゆうの顔は真っ赤だ。
「べ、別に自分でなおせるから大丈夫だよ!変な事しないで!」
「あっ、ごめん・・」
おかしいな・・今まで恥ずかしがらなかったのに。
「でも・・・ありがと」
ゆうはそう言ってこたつに入り朝食を食べはじめた。「・・・・?」
僕は首をかしげた。
何か変だな。
台所を片付けてココアを作る。
ゆうの隣に座りこたつに入る。
「わっ!たっくん!」
「えっ?なに?」
「んっ・・何でもないっ!」顔を赤くしてトーストにモフモフとかぶりつく。
可愛いなぁ・・・やっぱり何か変だ。
「ゆう、彼氏とはどうなった?」
「ふぇっ!?」
「僕はマリ姉と別れたよ。ゆうは?」
「わ、別れたよっ」
僕はゆうを抱き寄せる。
「ひゃっ!?」
「そっか、じゃあ僕とゆうは恋人・・だね」
「べ、別にたっくんのために別れた訳じゃないもん!勘違いしないで!」
やっぱりまだゆうは僕の事は・・・・
「ゆうは僕の事嫌いなの?」「ち、違うよっ!」
「じゃあ好き?」
「・・・・う、うん」
ゆうは小さく頷く。
「言わせないで・・バカッ」「ゆう・・・なにツンデレしてんの?狙ってんの?」僕はちょっと苛めてみたくなった。
「ちっ、違うよっ!たっくんといるとドキドキして変になりそうなのっ・・・」
「それは僕の事・・・男として見てくれてるって事だよね?」
「知らないもんっ!」
可愛くて、たまらなく抱き締める。
「ゆう・・好きって言ってよ・・」
「すっ・・・すきっ・・」
ゆうの顔は真っ赤だ。
「じゃあ、エッチな事しよ」「だっ、ダメッ!」
「へ・・・?」
「無理だよ・・隣にいるだけでドキドキして死んじゃいそう・・・」
「ゆう・・・でも一緒に寝てたときエッチな事したじゃん」
「う・・あの時と違うの・・・ドキドキして・・・無理だよっ」
「じゃあさ!デートしよっ!本当の恋人になれたんだからさ。姉弟としてじゃなく。恋人としてデートしよ」ゆうはなかなか返事を出さない。
僕は待ちきれずにまた抱き締める。
「わっ!わかったよ。たっくんとデートしてドキドキに慣れるよ・・・」
「じゃあ、準備して出掛けよ!」
「待って・・もう少し、こうしてたい」
「うん、いいよ」
ぎゅっと抱き締めた。
デートにくり出すには少し時間がかかりそうだ。
でもまだ時間はたっぷりある。
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