最悪の自体は避けられたけれど、自宅ではやはり心配なのは事実です。
ただ、一度とは言え、味わったスリルは何となく癖になる様な気がしまし
た。
それにしても、真理子や息子に話したとは言え、心配は消えません。
監視している訳じゃないし、二人が有っていないと言う保証が無いからで
す。
ただ気をもんで居るしかないのです。
今や私にとって、妹の真理子がライバルになりつつ有りました。
妹よりも有利な点は、彼の傍に居る機会が断然多いと言う事、
その点は真理子よりも間違いなく有利なのです。但し、家の中での事、
あくまでも、接点は母親としてなのです。
この間の様な事は、やはり慎まなければと思うのですが・・・・。
「彼方って子は・・、お母さんを脅迫するの?」
「脅迫なんかしてないよ、叔母さんとするってからって、言っているだけだ
よ。」
息子が私に面と向かって、真理子としていいかと聞くのです。
「だって、家でさせないから真理子とするなんて、それって脅迫じゃない
の。」
息子は私としたいと言うのです。
学校から戻るなり、私にそう言ったのです。
「今まで通りじゃダメなの?」
「月に一度じゃないか、そんなのもう無理だよ。」
確かに彼の性欲では、もう月一回は酷かもしれません。
「判るけど、私、健太の奥さんじゃないんだから・・、困らせないで。」
「叔母さんなら、させてくれる。」
「それは絶対にダメ! お母さん許さない!」
本当に真理子にだけは、彼を渡したくなかった。
「判ったわ、考えるから・・、ねっ、彼方との事、これからお母さん考えて見
るから、時間くれない?」
こう言うしか有りませんでした。
面と向かって否定しても、陰で真理子と逢われては終わりです。
何としても、彼が真理子の方へ足を向けない様にするしかないのです。
それを至急考えない限り、息子は間違いなく真理子に走るに違いない。
私はそう思って、彼に時間を貰ったのです。
「それを私に相談するんだ? お姉ちゃんも大胆ね。」
「しょうがないでしょう、誰に相談出来ると言うのよ。」
私は苦し紛れに、その相手である真理子に相談する事にしました。
案の定、言われました。
「お兄さんにでも相談したら?」
「真理子、真面目に聞いてよ、健太は私の大事な息子よ、誰が真理子になん
か・・。」
必死な思いで、私は妹に頼みました。
「お姉ちゃんには敵わないね。判ったわよ、健太君には頼まれても断るから。
それじゃダメ?」
「本当に・・?」
私は泪が出ました。
「何も泣く事は無いじゃないの・・。もう・・。」
真理子には何と思われたか判らないが、母親の域を超えていたのは間違いな
い事でした。
「そんなに好きなら、家でも抱かれちゃえばいいじゃないの。」
真理子は、何とも私からすれば大胆な事を言いだしました。
「そんな事、いくらなんでも・・・。」
「何で、何で出来ないの? 好きなんでしょう? じゃ抱かれなさいよ。」
真理子は何と大胆な事を、
「出来ないわよ、貴女じゃあるまいしそう簡単には・・。」
「馬鹿みたい、何拘っているのよ、そんな形式は如何でもいいの、お姉ちゃん
の本当の気持ちを、健太に見せて挙げればいいのよ。」
真理子の言う事が、今一つ分からないのです。
「つまりこう言う事・・いい・・」
真理子は、その後私にある事を授けてくれました。
「そんな事でいいの?」
「大丈夫だって、健太君にだってお姉ちゃんの誠意通じるよ。物は試し、ダメ
なら又考えよう?」
私は半信半疑で、真理子が教えてくれた事を、思い切って実行して見ようか
と思いました。
<影法師>
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