翌朝、台所で朝食の支度をしている所に、彼が姿を見せました。
昨夜彼が帰って来たのは、私の戻った更に一時間ほど後でした。
「父さんに聞いたけど、夕べ、叔母さんの処に行ったんだって?」
仕度をしている手が止まりました。
「外で、盗み聞きしていたの?」
彼の言葉に、私は冷静さを欠いていました。
「何の真似? 何で真理子と寝たの。」
私は行き成りそう訊きただしました。
「母さん、焼きもち焼いてくれているんだ?」
ドキッとした。
真理子の家で立ち聞きしていた時、確かにそんな気持ちが無かったとは言え
ません
「何で私が焼きもち焼くのよ。そんな事有る訳無いでしょう。ただ理由を聞い
ているだけ。」
「ふ~ん」
頭に血が登って行く様です。
「言えないの?」
「言えるよ、お母さんも判る通り、叔母さんって、凄く色っぽいでしょう?
以前から叔母さんとはしたかったんだ。それじゃだめ?」
姉の私から言うのも変ですが、確かに真理子は熟女タイプ、バストも90c
mは有る。
熟女好みの彼なら、触手が伸びるのも当然の相手なんです。
だから、気にはしていたんですけれど・・。
「だから手を出したんだ。しかもあの日に。」
「俺、まだしたかったし、母さん、あれからさせてくれなかったろう。」
やはりそうだった。
「時間だったから、しょうがないじゃない。彼方だって判っているでしょ
う?」
「判っているよ、だから・・・叔母さんに頼んだんだよ。」
朝からこんな話を母子でしているのです。
「おい、何しているんだ、メシはまだか? 健太、母さんの邪魔をするな!」
夫がそう言って後ろから声をかけて来ました。
「後で又話しましょう。」
私は一端この話を打ち切る事にしました。
お互いに納得できた訳ではないのです。
それにしても、真理子は許せないと思いました。
初めは如何であれ、昨夜は明らかに真理子の方が誘ったのです。
一度この事で話し合いをしなければと、私は考えました。
<影法師>
※元投稿はこちら >>