女性のマンションに向かう、僕はちょっと怖くなってきた。
「あの・・・」
女性に話かけると同時に携帯が鳴る。
僕の携帯じゃない。
女性が鞄から携帯を取り出す。
「もしもし・・・ええ・・・そうねぇ、あなたに任せるわ。ええ、よろしく」
パタンと携帯を閉じる女性、僕の方に振り向く。
「なぁに?」
「やっぱり初対面の人といきなり・・そのエッチするのは・・・」
「大丈夫、大丈夫!それに初対面じゃないよ!」
「・・・へ?」
女性はクスクス笑う。
「まぁ・・・分からないかなぁ」
僕はこの人とは初対面のはず・・・
マンションはとっても豪華で立派だ。
女性に手を引かれてエレベーターに乗る。
グンと上にあがっていく。エレベーターが開くといくつか扉がある。
「えーっと・・部屋は・・」女性は紙をみて扉を見つける。
鍵開けて扉を開く。
「さ、入って」
「おじゃまします・・・」
とっても豪華な部屋に招かれる。
「そこに座ってて」
ソファーに遠慮がちに座る、周りは高そうな骨董品や置物。
女性は飲み物を持ってきてテーブルに置く。
「楽にしてねー」
向かい側のソファーにどかっと座る女性。
僕は思いきって聞いてみる事にした。
「あの・・・あなたは一体」「私?山城真里、マリ姉って言った方がわかるかなぁ?」
「・・・・?」
「小さい頃一緒に遊んだじゃん、ゆーちんとたっくんでさ!」
ハッと思い出した。
「もしかして・・・あのマリ姉!?外国に引っ越した・・・あの・・」
「そうよーそのマリ姉だよアメリカら帰ってきたんだよ」
大金持ちのお嬢様。
時々屋敷を抜け出して僕と姉と遊んだ。
僕より6つ年上だった。
「アメリカで大学でて今、社長やってんの。ゆーちんは元気ぃ?」
「お姉ちゃんは父さんと母さんが離婚して・・・・・母さんと一緒に遠くに行っちゃって・・・・えっ!社長!!」
遅れて気付く、コントみたいだ。
「そうそう社長。パパに新しい会社の経営任されたんだ。そっか、ゆーちんは遠くに行っちゃったかぁ」
僕は飲み物をぐいっと飲む、牛乳かな?
僕が飲み終えるのを見てマリ姉はニヤッと笑った。
「・・・僕そろそろ帰らなきゃ」
時計は6時を差している、晩御飯の用意しなきゃ。
「たっくんはまだ帰れないよ。エッチしてないじゃん」
「えっ!!・・・ダメですよ、僕は・・・」
なんだかクラクラする。
「効いてきたかなぁー」
「な、なに?何で?」
マリ姉はこちらに近づいてくる。
「薬盛ったんだよ。バイアグラとかそうゆうたぐいのやつ」
「そんな・・・マリ姉・・」「続き・・・しよ」
乱暴に抱き締められ唇を奪われる。
「昔・・・結婚するって言ったでしょ」
マリ姉は僕に胸を触らせた、大きな胸。
たしか昔マリ姉からしつこく言われてたっけ・・・
意識が遠退く・・・理性が無くなる。
本能だけが僕を動かす。
僕はマリ姉の胸を両手で揉みしだく。
「んっ・・いいよ、たっくん」
お互いの服を脱がす、二人とも裸。
「たっくん、初めて?」
僕は首を横に振る。
「ふーん、まぁいいよ」
深い深い口付け。
美咲ともこんなキスはしてない。
貪るように吸い付く。
「たっくん舐めてぇ」
マリ姉は脚を開く、僕はマンコを舐めまわす。
「んっ・・はっ・・上手だよ、たっくん」
もう我慢できない。
僕はいつもやるようにあてがう。
ズッ・・・先っぽが入る。ズズ・・・全部入った。
「はぁっ、たっくん」
僕は堪らなくなり腰を突き動かす。
薬のせいか快感がいつもと違う、何も考えられない。僕自身あまり長くは持たない。
「うっ、出るっ」
腰を激しく突き動かす。
避妊する事は頭に無い。
気持ちよければいい。
ギュッと締め付ける膣内で何度も射精する。
それからは覚えていない。記憶が無い・・・
気付くと10時、体は疲れはてていた。
「たっくん・・良かったよ」ベッドに寝転ぶ、マリ姉が隣にいる。
チンコがヒリヒリして痛い、もう薬は嫌だ。
「僕・・・もう帰ります」
服を着ているとマリ姉が抱きついてきた。
「また来てね・・たっくん」「・・・・はい」
美咲の事は頭になかった。マンションの入り口まで送ってくれた。
「たっくん、これ」
電話番号とメールアドレスの書いた紙。
「エッチしたくなったら・・・いつでもどうぞ!」
ニコッと笑う。
僕は苦笑して返す。
家に帰るともう11時だ。
父さんはまだ帰っていないみたい。
残業かな?
携帯を開くと着信アリ。
父さんから電話だ。
電話をかける。
プルルル、プルルル。
ガチャ。
「あ、父さん?何か・・」
「太一・・落ち着いて聞いてくれ・・」
「・・・何?」
「・・・お母さんが亡くなった・・・」
「・・・・えっ?」
母さんが・・・
「父さんは葬式には出られない。それと有希は父さんが引き取る事になった」
「姉さんが・・・一緒にくらせるの?」
「そうだ・・・ショックか?大丈夫か?」
「うん、大丈夫・・」
「父さんは有希を迎えに行くから明日帰るよ。荷物は引っ越し業者に頼んだから、じゃあな。おやすみ」
「・・おやすみ」
僕は携帯を閉じてソファーに座る。
不謹慎だが母さんが死んだ事はあまりショックじゃなかった。
どんな人かあまり覚えていない。
お姉ちゃんに会える。
それだけで頭がいっぱいだ、ソファーに寝転ぶ。
「お姉ちゃん・・・」
疲れもあるのか眠たい。
いつの間にか寝てしまった・・・明日は土曜。
目が覚めるとお昼。
テレビをつける、ぼーっとする。
玄関が開く音。
僕は玄関に向かう。
父さんと・・・・綺麗な綺麗な少女。
「あっ、おかえり」
「太一、父さん今から仕事だから有希頼むぞ」
「あっ、うん!」
父さんは少し泣いたような目をしていた。
「・・・・お姉ちゃん?」
とっても綺麗で可愛い。
「・・・太一くん、久しぶりだね」
とりあえずリビングに招く、僕は紅茶を入れる。
姉はソファーにゆっくりと座る。
「はい、紅茶」
「ありがとう、太一くん」
微笑む姉・・・綺麗な笑顔僕は見とれる。
僕は向かい側に座る。
お母さんの事は話すべきか・・・・
「太一くんは今高校生?」
「うん、高校2年だよ」
「そっか、見た目は変わらないね」
「そ、そう?」
僕はぎこちなく笑う。
なんだか距離がある。
当たり前か。
しばらくの沈黙。
「うっ・・・うう・・」
姉が急に泣き出した。
「お姉ちゃん・・・」
僕は姉の隣に座る。
「お母さん・・・お母さん」姉は泣きじゃくる。
僕は何も出来ない。
長い年月が作ってしまった壁。
すぐには壊せないだろうけど。
僕は姉の手を握った。
「太一くん・・・」
しばらく泣かせてあげた。僕は手を握るしかできなかった。
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