「だ…大丈夫だよ。チイ兄ってばヤラしい触り方するから」
「じ…上手じゃん。本当は遊び馴れてるんじゃないのか?エッチイ兄」
こっちを向こうとしない。妙にうわずっているその声は感じているというより、無理に何かを堪えている様に感じるのは気のせいだろうか。
もう一度触ろうとする指を避ける様に立ち上がり振り返る。
「さ、そろそろヤろうよ、チイ兄」
「こっちは準備OKだよ」
ニッコリと笑い、バスタオルで胸から下を隠す様にしてベッドに横倒わる。
(気のせいか…)
恥ずかしいだろうと蛍光灯のスイッチに手を延ばした瞬間、二人が大きな声で叫ぶ。
「だ…駄目ッ!消さないで。消したらチイ兄の姿が見えなくなっちゃう…」
咄嗟に振り返った僕の目に映った物、それは尋常じゃない程に何かに怯え、大粒の涙が溢れる蒼白な二人の顔だった。
そしてその瞬間、僕はやっと今まで感じていた違和感の意味を理解した。二人はあの日の恐怖から完全には立ち直れていないのだと。
幾ら強かろうと、皆から一目置かれてようと、彼女達はまだ十代の少女なのだと。
『もう…止めよう』
服を拾い上げ、立ち上がろうとする僕に、バスタオルがはだけるのも忘れ、飛びかかる様に縋り付く。
「い…嫌ッ!止めないで!行っちゃヤダッ!!」
つい先程の秋祭り、あの時までの勇壮さは微塵も無い。まるで悪夢を見て泣きながら親の元へときた子供の様だ。否、彼女達は今だに悪夢の中にいる。
「現在の私達を見て欲しいから」
「今度は俺達を受け入れる番だよ」
二人の言葉が蘇る。この言葉の意味…、それがまさに今のこの二人の姿だったんだ。杏梨と香流、二人はいまだに闇の中から抜け出せずにいる。頼りは弱々しく小さな光…たがそれは彼女達にはとても大きく暖かな存在。しかしその光が今まさに消え失せようとしている。
「チイ兄とって決めてたの」
「チイ兄じゃなきゃ駄目なんだよ」
震えながらも、決して腕を放そうとしない。本当なら[男]を見る事すら辛いだろうに。
『香流…杏梨…』
ゆっくりと腰を降ろし、震える二人の身体を抱きしめる。
『解ったよ…。大丈夫、全て僕に任せて…。三人で行こう、光溢れる場所に…』
彼女達の頬を伝う悲しみを口づけで拭う。
「チイ兄…」
やっと二人の顔に明るさが戻り、満面の笑顔が僕を包み込む。
「チイ兄っ!有難う!!」
「だけど、チイ兄…」
何故だ?香流の表情だけが少しだけ暗く下を向いてる。
『どうした…』
「あのさ…幾ら恰好良く決めてくれても、これじゃあ…」
『うわぁっ!?』
香流の視線の先に有るギンギンに反り返ったモノを慌てて隠した。
『アハハ…』
「アハハハ」×2
明るい笑い声が室内に響く。
『で、誰からなの?』
「ハイ!私から」
間髪入れずに返ってくる杏梨の声。どうやら順番まで決めていたらしい。少し寂しそうに座る香流を横に杏梨がちょっと緊張した面持ちで横になる。
「優しくシテね、チイ兄」
勿論そのつもりだ。髪を撫で優しくキスをする。首筋、耳を愛撫しつつ、触れるか触れないかの繊細なタッチで胸を…。杏梨の口から吐息がもれ始め、全身から力が抜けていくのが判る。
「ハ…ア…ン…」
もう胸の先端が硬く尖り始めている。杏梨はかなり敏感な体質らしい。身体をずらし徐々に下へと移動させていく。交差させて胸を隠す腕をトントンと叩くと、理解したのか躊躇いながら手を降ろした。
指でもそうしたようにいきなり敏感な部分には触れず、形を確かめる様に、焦らす様に、ゆっくりと回りから先端へと…。痛々しい程に硬くなった乳首を指と舌で転がし、口に含んで軽く吸いあげると、杏梨の身体が跳ねる。
「ンン…ンフゥ…」
はしたない声をあげまいと手で抑えているようだ。
『イイよ。杏梨声を出しても』
杏梨の顔が真っ赤になる。
「チイ兄のイジワル・・・」
左手と口で乳房を、そして右手でふくらはぎから徐々に杏里の恥ずかしい部分へと愛撫する。
ギュッと脚を閉じようとするのを優しく征する。
『ダ・メ・・』
杏梨の秘唇はもうテロテロに濡れていた。先程とは違い、かなり粘度が濃い。本気で感じてくれているみたいだ。人差し指と薬指で拡げ、中指で溢れる愛液を掬い取る様に曲げた指先で肉芽を刺激する。
「ふわぁ…あふぅ…ひゃぅ…」
触れているのは【僕】だというだけで、安心感は有るのだろうが、その反面【僕】に見られている、触られている事実が杏梨の恥ずかしいという感情を掻き立てる。
体を入れ替え、爪先から付け根へとキスの雨を降らせる。
「え?ちょ…チイ兄!?そ…そこ駄目ッ!!」
杏梨の秘唇は蜜を溢れさせていて、舌ですくうと切なげな声をあげる。自己主張をする肉芽は少しでも触れてもらいたそうに、その体積を増していて、舌先で転がす度にどんどん溢れてくる粘り気を増した甘露と杏梨の感情。少し刺激が強いのか、僕の頭を押さえて動きを征しようとする。
「ふわぁ…チ…チイ兄、ま…待って。わ…私、へ…変…」
杏梨がもうすぐ絶頂に達しかけているのだと解った僕は動きを止める。
虚ろな眼で僕を見る杏梨…。
「チ…チイ兄ぃ…来て……」
杏梨の脚の間に身体を入れ、上に移動する。ジッと見詰める僕に対し杏梨は小さく頷く。
「…んっ!?」
亀頭が入り口に触れた瞬間、反射的に身を硬くする。
『大丈夫、力を抜いて…』
やはり怖いのかギュッと瞼を閉じている。シーツを握り締める手がより大きなシワを作り出す。
ズニュ…
少し奥へと進めたが、更に身を硬くしてしまう。
『杏梨、目を開けて僕を見て。そして僕を感じて…』
優しく頬を撫でる。恐る恐る瞼を開く杏梨に微笑みかけると少しだけ安心した様だ。
『僕が見える?まだ怖い?』
「ううん…でも何か恥ずかしいよ…ぁぁ…」
僕の背中に手を回し、はにかむ杏梨の膣へと腰を進める。
少しずつ少しずつゆっくりと奥へと…。亀頭が全部埋まった瞬間、杏梨は小さな吐息を漏らした。
1/5…1/4…1/3…僕が杏梨の中へと入っていく。
コツン…
ようやく3/4が挿入った時点で、亀頭の先が何かに触れた。それは杏梨の一番奥…これ以上は無理だ。
「ぁん…チ…チイ兄、これって…」
『そう、ちゃんと挿入ったよ』
杏梨の膣内はとても熱く、幾重にも連なる襞が僕に絡み付いてくる。杏梨自身とは別にその一枚一枚がまるで意志を持っているかの様だ。
『大丈夫?』
「う…ん、怖くないよ、むしろ変な感じ…。何だか熱くて、ジンジンするの…」
何て表現したらいいのだろう…。淫らな聖女と悦びを知った少女とが交差する杏梨を…。
溶ろける様な眼差しで訴えてくる。
「ね…ねぇ…う…動いて…いい…よ」
『あ…ああ…』
ゆっくりと腰を抜き差しすると、一緒に杏梨の小陰唇が引っ張られ、その度に杏梨の中からエッチな液体が流れ出る。
「チ…チイ兄、も…もっと…もっとぉ…」
その声に促される様に僕のスピードが上がっていく。僕が動かすリズムに杏梨の声と腰がシンクロし始める。
やがて杏梨の膣内が急に縮み始める。イクのが近いらしく、急かす様に絡み付く肉襞が僕を高めていく。
「チ…チイ兄、へ…変だよ、何かが…何かがきちゃう。私…私、おかしくなっちゃう!」
『あ…杏梨ぃ…』
僕もそろそろ限界が近付き、トップギアに入った頃、突然杏梨が脚を腰の辺りで交差させ、僕を思いっきり抱き締めてきた。
「チイ兄…チイ兄…き、来て、お…お願い…」
『ば…馬鹿、脚を放…』
ドクッ…
「あ…ああ…ああん…」
身体と同じく肉襞が僕を締め付け、大きく仰け反ったかと思うと、ガクッと倒れ込んだ。
僕が膣内射精したのと同時にイッたようだ。ひとしきり射精し終わった後、やっと脚を解放した。
僕の精子が拡がっていくのと同じように、全身に幸福感を感じ、杏梨は恍惚としている。
『馬鹿、何であんな事したんだ。もし、万が一に…』
僕の台詞を杏梨の唇が遮る。
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