まずはお久しぶりです。
あれからしばらくの間、大学の準備やアルバイトなどでカキコミが出来ませんでした。
また、よろしくお願いします。
寝ようと思っても、お互いに向き合って座ったまま、数分が経過していた。
「こ、こういうの・・・・・・なんか、緊張するな」
「そう、だね・・・・・・」
会話が続かない。それなのに心臓は肋骨を内側から叩き砕こうとせんばかりにドキドキとしていた。
チラリとアリスを見る。
用意してあった青と白の浴衣がわずかにはだけていて、胸が少し見えていた。太もももスリット(というのだろうか?)から覗かせていて、女性特有の色気が見え隠れしていた。
正直 下も緊張していて、今すぐにでも抱きしめたいと思っていた。
だけど手は出せなかった。触ったら壊れてしまいそうで、怖くて。
「ユウ・・・・・・」
そう思っていると、不意にアリスが声をかけてきて、ドキリとした。
「ん、なんだ?」
「今日はありがと・・・・・・凄く楽しかった」
アリスはふわりとした柔らかい笑顔をして、俺を見つめていた。
「いやいや、俺も楽しかったよ・・・・・・久し振りに純粋に楽しく過ごせて、凄く良かった」
「うん・・・・・・まるで新婚旅行に来てる気分だったよ」
「まぁ、ここの人にもそう言われたからね・・・・・・改めて思うと、そうだな・・・・・・これは新婚旅行かな?」
「・・・・・・出来ないもんね、結婚」
そう言って、アリスは顔を曇らせた。
お互いに分かっている。
好きだ好きだと言ってはいても、実際には子供が出来てしまえば多分 降ろすだろうし、駆け落ちもする覚悟はない・・・・・・。半年以上も一緒にいて、いつの間にかこれが結論となっていた。
いつか、お互いに本当に好きな人と巡り会った時、後腐れ無く離れられるようにと考えての結果だった。
「だから、楽しかった。明日ももっと楽しみたいよ」
「それは俺も一緒だよ・・・・・・楽しかった」
お互いに見つめ合うと、クスクスと笑ってしまっていた。
「今日は、もう寝ちゃうか?」
そう言って、俺は布団に潜ろうとしたーーーーーー
キュッと手を掴まれて、俺は思わずアリスの方を向く。
同時に唇に柔らかい感触が触れて、一気にあたたかな何かが身体を満たしていく感覚に襲われた。
唇と唇を重ねただけのキス。
それだけだったが、今だにこれを越えるものは無いんじゃないかと思うくらいに、幸せな気持ちが身体を包んでいった。
唇が離れると、目の前には顔を真っ赤にした自分の妹ーーーーーーアリスがそこにいた。
「・・・・・・したぃ」
アリスは尻すぼみにただ一言そう言った。
だが、それだけで充分だった。
「うん・・・・・・俺も、お前と一つになりたい」
俺はアリスをそっと抱きしめ、布団へ倒れ込んだ。
《続きます》
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